2017年10月30日月曜日

私立大学の公立化こそが日本を救う

私立大学の相次ぐ「公立化」 安易な改組に疑問の声も
2016年4月16日 7時0分 NEWSポストセブン

 多くの私立大学が戦々恐々としている「2018年問題」──。これは、120万人前後で推移している18歳人口が2018年から減少に転じ、2031年には100万人を下回ると予測されている少子化問題のことを指す。その影響で、赤字経営に苦しむ地方の“弱小大学”が今後バタバタと倒れていくのでは、と懸念されているのだ。
 2018年を待たず、すでに「私大淘汰」の兆候は現れている。いま、全国には604校もの私立大学があるが、そのうち受験生が集まらずに定員割れした大学は4割以上の250校に上る(2015年度)。慢性的な赤字から抜け出せず、移転や廃校の決断を迫られる大学も後を絶たない。
 そもそも、少子化は早くから指摘されてきたことなのに、なぜ私大は30年前の2倍にあたる600校にまで増えてしまったのか。安田教育研究所代表の安田理氏がいう。

「大学をつくるためには設備やカリキュラムなどの設置基準が設けられていますが、教育研究分野の柔軟性・専門性を幅広く認めようと1991年にその規制が大幅に緩和されました。その結果、短大や専門学校から大学への『改組』も含め、私大が増え続けていったのです。
 文部科学省としても、日本の4年制大学の進学率が約51%とOECD加盟国の中では低いことを憂慮し、〈もっと高度な人材を育てて国民全体のスキルを上げなければ、グローバル社会で太刀打ちできない〉と、大学数の増加をむしろ推奨してきた経緯があります」

 しかし、18歳人口の分母が増えない状況下で大学数ばかりが増え続ければ、学生獲得のためのなりふり構わぬ過当競争に陥るのは目に見えていた。

「定員割れするような大学は、生き残りのために専門学校の領域に近いユニークな学部や学科をつくって興味を引いたり、授業料さえ払ってもらえればいいと留学生や社会人を多く入学させたりしています。最近では1日も大学に行かずに卒業できる通信制大学もあるくらいです。
 ここまでくると、〈こういう教育をしたい〉〈こんな人間を育てたい〉という建学の理念は保てません。そもそも志願者の適正も見ずに合格させてしまう状況が生まれている中で、文科省が目指す高度な人材など育つはずがありません」(前出・安田氏)

 そして、いま私大存続の新たな切り札とされているのが、「公立大学」に生まれ変わるケースだ。
 2009年度に高知県の高知工科大学が私立大学から公立大学に改組したのを皮切りに、長岡造形大学(新潟県)、名桜大学(沖縄県)、福知山公立大学(京都府)、静岡文化芸術大学(静岡県)、公立鳥取環境大学(鳥取県)、山口東京理科大学(山口県)と7校が公立大学へと“衣替え”した。
 いずれの大学も公立大学にした途端、受験者数は飛躍的に伸びている。今年春より公立化を果たした山口東京理科大学は、昨年までの数年間は定員割れに喘いでいたが、今年の入試では定員200人に対し、なんと約4500人が受験。昨年比で3倍増となった。
 公立化で志願者数が急増する理由は、一にも二にも「学費の安さ」にある。公立大学は基本的に地方自治体が設置する大学という位置づけのため、自治体に運営費交付金など公的支援を仰いで授業料を抑えることができる。実際、前出の山口東京理科大学は年間の授業料を約100万円から約53万円に下げている。
 地方自治体にとっては、大学を存続させることで若者の県外流出を防ぐことができるうえ、地元企業などと連携して就職口の門戸を広げられれば、ゆくゆくは地域経済の振興にもつながると期待している。
 だが、先の安田氏は、「安易な私大の公立化は禁物」と指摘する。

「税金を使って支援する以上、本当に地元に貢献するような学部やカリキュラムになっているかとか、卒業後に地元に残る学生がどれだけいるかなど、長い目で見て精査する必要があると思います。
 ただでさえ各自治体は人口減で今後の税収増が見込めませんし、地場産業といっても工場の海外移転なども進んでいます。そんなときに新たな税負担の原因となる公立大学を抱え込んで財政が逼迫すれば、そのツケは地元住民に回ってくるのです」

 一方、自助努力によって“倒産”を免れている地方の私大は、「公立化による救済で学生を奪われるのは不公平だ」と猛反発している。
 いずれにせよ、600を超える私立大学すべてを存続させるのは不可能だ。文科省は4月13日、こうした私大の課題を把握し、対策を検討するための有識者会議を立ち上げたが、今さら感は拭えない。

 私はこの動きを歓迎している。
 むしろ問題なのは、過剰な大学や専門学校の数にある。企業の再編と合わせて、大学の経営統合も行うべきだし、以前拙ブログにおいてNHKの分割の際に教育放送チャンネルを放送大学に統合させるべきという意見の中に、経営破綻しているFランク私立大学を放送大学の一部にすべきだという意見を述べた。
 北海道、東北、関東、甲信越、東海、関西、中国、四国、九州、沖縄にある私立大学を2校程度選抜して、放送大学に統合させればいい。それでも漏れたケースについては通信制大学への改組を行わせて、地域の専門学校に通う人たち向けの高等教育を行うべきだと考える。専門学校の大学化である。
 もしくは複数ある専門学校法人が経営統合することを前提に、私立大学3法人以上を吸収合併させるだけでもいい。それにより閉鎖されるキャンバスは市役所もしくは病院、介護福祉施設、就労支援施設などに変えてしまえばいい。
 CランキングからEランキングの私立大学についても文部科学省が音頭を取って経営統合の斡旋を行うだけでもいい。つまり、学校そのものの再編を促す必要がある。
 また多すぎる進学塾とFランク大学・Eランク大学の再生を同時に進める必要がある。進学塾とE・Fランク大学(最低でも3学校法人)の経営統合を推進させる必要がある。つまり、駿台予備校・代々木ゼミナール・河合塾・早稲田塾を軸に2つ以上の大学を吸収合併させ、1つの大学へ作り変える必要がある。
 代々木ゼミナールなどの塾は少子化によって経営に苦心している。そこで、大学のサテライトキャンパスとしての機能を用意する必要がある。それにより、経営統合した大学はキャンパスを1つに統合し、跡地を地方自治体へ譲渡すべきだと思う。跡地は介護福祉施設・障がい当事者支援施設・市役所などに活用すれば、それこそいい。
 ヘイトスピーカーが設置した大学もこの際まとめて膿を出し切る必要がある。あの中曽根康弘が学長だった拓殖大学を地方創生の観点から徳島県へ移転させ、徳島県の私立大学・短大3法人(四国大学・徳島文理大学・徳島工業短期大学)と経営統合させるといい。そうすれば、東京のキャンパスは空くので跡地に介護福祉施設や障がい当事者支援施設などを立ち上げてしまう。また、徳島県に移転した大学もキャンパスを統合させて跡地を社会福祉施設に転用させればいいまでのことなのである。それこそ国民にとっていい事づくしである。
 近畿大学も同様の措置を講じ、大阪から沖縄県の普天間基地跡地に強制的に移転させると同時に、沖縄国際大学・沖縄カトリック小中高を存続校にして吸収合併させて実質消滅させるべきだ。また、通信制大学への積極参入を行わせて、専門学校との連携を図るべきだ。それにより、専門学校と大学の共存を促せる。
 薬害エイズ事件で失態を犯した帝京大学は高崎市へ移転させ、高崎市の私立大学6法人と経営統合させるといい。育英短期大学、新島学園短期大学、高崎健康福祉大学、上武大学、高崎商科大学、群馬パース大と経営統合させてしまえば、八王子市のキャンパスは空く。社会福祉施設への転用を行うと同時に、高崎市のキャンパスについても統合を行えばいい。同様の手で経営再建を私立大学に促すべきだ。
 また、安倍自称政権によって壊された教育の再生の観点からも森友学園については民事再生法を申請させるべきだ。その他にも加計学園については、愛媛県今治市と共謀して違法な手法で獣医学部を開校させた権力犯罪から、大阪のFランクの私立大学、松山大学・今治明徳短期大学・松山東雲女子大学を存続法人に吸収合併させて、4法人の大学を今治市に移転させた上で4大学の跡地を国有地にしてしまえばいいまでの事なのである。当然、加計学園は民事再生法申請は必須であると明言しておく。同様の改革は銚子市にある系列の千葉科学大学にも言える。千葉県千葉市にある東京情報大学・植草学園大学を銚子市の千葉科学大学キャンパスに移転させて統合させると同時に看護系の専門学校2校を統合させて、千葉科学大学を事実上廃校させるべきだ。

山王看護専門学校 千葉市稲毛区山王町159-2
安房医療福祉専門学校 館山市腰越801-1

 なお4法人のキャンパスは千葉市及び館山市に無償譲渡すればいいまでのことなのである。また、この千葉科学大学を誘致させた自称前銚子市長にはしっかり私財を提供させるべきである。自称前市長は厚かましくも市長選に出ていたようだがしっかり落選の鉄槌を下されている。
 潔く私財を提供せよと彼に厳しく迫りたい。

 そしてもう一つ、追加しておきたい。
 箱根駅伝については、関東近郊の大学の駅伝になっているが、ニューイヤー駅伝に習い、日本全国、そして世界に枠を広げた駅伝に2019年までに改革すべきだ。大学の経営統合に合わせて見直すべき時期に来た。
 読売新聞は事実を見据えて受け止めるべきなのである。