2017年8月12日土曜日

死もまた社会奉仕 相撲版『職業・詐欺師』 春日富士晃大

 今回の書人両断は悪質度が極めて高い元力士の詐欺師を取り上げる。
 忘れていた時に厳しく批判を行うことで、罪を忘れさせないのも必要なのである。しかも、不倫までやらかしてここまでやるのかということだ。死人に鞭を振るう事で残酷かと思うかもしれないが、このような愚か者になってはいけないのだ。
 しかも、正統たる春日山親方に金銭をゆすりたかり、日本相撲協会を退職させるとは言語道断だ。人の人生をおもちゃにするのは断じて許す訳にはいかない。この男を詐欺師と言わずしてなんというのか。

不倫不正経理計上疑惑の代償は大きかった! 雷親方が退職に ...

npn.co.jp/article/detail/84537941
09月19日発売の週刊新潮で、40代の女性協会職員と不倫関係にあった上、不倫場所として使ったラブホの宿泊費等を日本相撲協会の経費で落としたと報道された元前頭春日富士の雷理事(46、本名岩永祥紀)が詰め腹を切らされた。
 この問題が原因で、08月28日から謹慎していた雷理事は、16日に理事の辞表を提出したが受理されなかった。報道があった日の翌20日、退職届を提出、北の湖理事長が受理した。現職理事の退職は14年ぶりで、退職金は支払われる模様。相手の女性職員は17日付で退職。協会は、理事の後任補充はせず、雷理事が担当していた総合企画部長、生活指導部長、観察委員長等は、現職理事が分担する。
 同誌の取材に「(妻とは)離婚する」などど、呑気語っていた雷理事だが退職に追い込まれて「辞めてしまうと、報じられたことを認めたように思われてしまうが、そうじゃない。ただ、女性問題で騒ぎを起こし、協会に迷惑をかけた。理事の立場もあり、自分で判断した。期待してくれていた人には申し訳ない」と話した。「しっかり調査して報告します」と語っていた八角広報部長(元横綱北勝海)は、「これから一緒に協会を盛り上げていきたかったのに残念でした」と言うに止めた。雷理事の退職によって、この問題は落着となり、真相究明はなされない可能性が濃厚となった。
 「まさに、臭いものに蓋ふたをした印象です。場所中でもありますし、日馬富士の綱獲りのなかで、協会としては雷理事の不祥事で、それに水を刺されたくはないでしょう。『自主的に退職すれば、不正等の問題も追及しない』と協会から勧告されたようです」(某スポーツ紙相撲担当記者)
 身から出たさびとはいえ、不倫・経理の不正計上疑惑の代償はあまりにも大きかった。雷理事はまだ46歳、定年までは18年5か月残っていた。理事の月給は約140万円で、賞与や諸々の手当を合わせると、その年収は約2100万円とみられている。雷理事が定年まで理事職にあったとすれば、退職満期金含めて4億3600万円程度が、その懐に入る計算で、雷理事はそれを棒に振ってしまった。

  しかもこの男は己の有している親方株を悪用した。

 【春日山親方訴訟】
2013年、先代に部屋の賃料未払い金の支払い(前年の二倍を不当に要求されて川崎市の別の場所に移転を余儀なくされた)を提訴された春日山親方が先代が持つ年寄名籍の引き渡しを求めて逆提訴した。
年寄株は現実には金で売買されているが建前上は認められておらず、 退職すれば返還することになっていることなどを指摘し、無償譲渡を求めていた。 2016年8月、横浜地裁は先代に年寄名籍の引き渡しを命じる一方、 現親方に対しても1億7160万円の支払いを命じる判決を下した。 先代もこの株を入手する際に1億7500万支払っていることなどから1億8000万の価値を認め、 これまでに支払われたと解釈できる840万円を差し引いた額を未払い金と認定した。
2016年10月、相撲協会は春日山親方の“無免許状態”が続いていることや、 『稽古場に殆ど顔を出さない素行面』(稽古場が狭いため訪問できなかったのが実態)などを問題視し、辞任勧告を発令した。

 問題は不倫と部屋の金の使い込みで解雇された春日富士が親方株を悪用し借金をするなどし、やむを得ず引き継いだ現春日山親方に違法な請求を行ったことにある。このクズとしか思えない男は自分の不行跡で、突然親方になった当代に貸してきた部屋の賃料を突然二倍にして、払えないならでて行けと言って裁判を起こす銭ゲバぶりである。
 この違法な要求が反社会的な行為であることは誰の目からしても明らかで、春日富士は直ちに謝罪して警察に自首すべきだった。その際にやるべきは日本相撲協会の悪事の数々を洗いざま暴露すべきだった。14人の力士たちが現春日山親方の部屋閉鎖に抗議して引退したのはそれだけ春日富士の犯した罪が重大であることの裏返しであると同時に、正統たる春日山親方が慕われていたことの証にならない。
 それとも、ギャンブルレスラーの安田忠夫ともどもインディペンデントのプロレス集団に悪役で加入する気だったのか。見苦しい。3月にこの男は死んだが、ハッキリ言って彼もまた『死もまた社会奉仕』を自ら体現したに過ぎなかった。それだけである。