2017年6月8日木曜日

他国下げ、日本上げはやめなさい

 朝日放送制作・テレビ朝日系列放送の『世界の村で発見!こんなところに日本人』の2017年5月9日(火)19:00~21:48にて、重大な人権侵害があった。
 断固として見逃す訳にはいかない。スポンサー各位に対し、番組の実態とスポンサーの商品を売り込む場にはそぐわない旨を伝えるべきだ。
 人権侵害の被害を受けたのは女優の原日出子氏である。彼女はビルマ(いわゆるミャンマーと自称する国だが、軍部極右により改名させられた名称のため、国際法上無効)の首都ラングーン(いわゆるヤンゴン/軍部極右時代に別の地方に首都を移転させたとなっているが事実上の首都はラングーン)から、ティータマー村に暮らす日本人を探す旅をすることになった。
 ティータマー村のあるロイコーは、ヤンゴンから北に約330kmの山間部にある町。しかし約330kmながら、夜行バスで1泊2日かかるという。タウンジーという町を経由し、ロイコーへ移動した。その日にロイコーは水かけ祭りというビルマの伝統行事中で、水かけ祭りの期間中は、道という道で水をかけられる。原女史も水をかけられてずぶ濡れになった。
 問題なのは、この日程に重ねたスケジュール設定のほか、原女史のずぶ濡れを嘲笑する姿勢だ。これは明らかに東南アジアへの偏見を招きかねない内容であると同時に電波を悪用したセクハラの疑いが濃厚であり、絶対に容認してはいけない。
 スポンサーのJP かんぽ生命、P&G、ニトリ、SUBARU、キッセイ薬品、キリンビール、アース製薬、SUZUKI、小林製薬、サントリー、アデランス、ダイハツは明らかに自社のイメージを下げかねないのではないか。
 私がプロデューサーなら、放映すらためらいかねない代物だ。これでは他国のマイナスを嘲笑し、自国に優越感を感じかねない代物だ。
 それでは良いとは思えない。
 他国の文化から日本はもっと学ぶべきだ。例えば、韓国の民主主義を学ぶべきだし、今の日本の状況では、数十年後には韓国に併合されてもおかしくないほど国の力は落ちている。
 そうなりたくないのなら、韓国の民主主義を守ろうとする民衆や北欧諸国の社会保障から学ぶしかないし、アムネスティから人権を学ぶしかない。
 「逆命利君(ぎゃくめいりくん)」を我々は噛みしめるべきだ。前漢の学者・政治家だった劉向(りゅうきょう)という人が編纂した「説苑(ぜいえん)」の中の一説で、「たとえ主君の命令であっても、主君の利益にならなければ、その命令に従うべきではない。あえて命令に逆らってでも、主君にとって本当に利益になることを追い求めること、それこそ、真の忠義というものだ」という意味だが、今の日本人には最もこの言葉が欠けている。

命に従いて君を利する、之を順と為し、
命に従いて君を病ましむる、之を諛(ゆ)と為し、
命に逆らいて君を利する、之を忠と謂い、
命に逆らいて君を病ましむる、これを乱と謂う。