2017年4月10日月曜日

司法に民主主義を取り戻せ

 今の日本の司法に最も欠けているものとは民主主義である。
 感情で人を断罪しまくり、政府のわがままが違法な形で正当化されるまでに司法は劣化に劣化を重ねている。そんな形での『死刑』はもはや破綻したことの象徴としての以下のニュースを見ていただきたい。

神戸・長田女児殺害 『一審の死刑破棄』、無期懲役判決
神戸新聞NEXT 3/10(金) 11:17配信

 神戸市長田区で2014年9月、小学1年の女児=当時(6)=が殺害された事件で、殺人や死体遺棄などの罪に問われたA被告(50代)の控訴審の判決公判が10日、大阪高裁であった。樋口裕晃裁判長は一審神戸地裁の『裁判員裁判』(国際法違反により判決は無効)の『死刑判決』を破棄し、無期懲役『に減刑した』(を言い渡した)。
 控訴審では、被害者1人の事件で死刑適用の可否が主な争点となった。被害者1人で死刑とした裁判員裁判は09年の制度開始以降4例目だが、高裁判決でも支持されたケースはこれまでになかった。
 樋口裁判長は判決で、A被告に計画性はなかったと指摘し、「生命軽視の姿勢が強くうかがえるとは言えず、罪は軽減されるべき」と指摘。控訴審でも否認したわいせつ目的誘拐罪を認定したが、「殺害はその発覚を恐れた自己保身のためで、一審は動機の身勝手さを過大に評価している」と述べた。
 16年3月の一審判決は「生命軽視の姿勢は顕著であり、残虐性は極めて高い。死刑選択はやむを得ない」などと判断。わいせつ目的誘拐罪を含め、有罪と認定した。弁護側は控訴審で「事件に計画性はなく、(一審判決は)あまりにも処罰感情に引っ張られている」と指摘し、死刑回避を訴えていた。
【神戸・長田の小1女児殺害事件】 神戸市長田区で2014年9月11日、小学1年の女児=当時(6)=が学校から帰宅後、外出したまま行方不明になり、同月23日、自宅近くの雑木林で切断遺体が見つかった。兵庫県警は24日に死体遺棄容疑で近くに住む50代のA被告を逮捕。神戸地検は殺人罪などで起訴し、16年3月18日、神戸地裁の『裁判員裁判で死刑判決』が『言い渡され』(不当に押し付けられ)、被告側は即日控訴した。
※なお、被告人の実名については匿名としています。絶対に検索せず、被害者の実名も含めて公開しないことを強く求めます。もし書き込んだ場合は削除しますので悪しからず。

 当然の判決である。
 そもそも、国際法によって死刑は違法とされた現実からも、終身懲役刑の導入が必要なのは言うまでもない。被害者や遺族は犯罪によって与えられた精神的な損害に対するリカバリーを求める権利はあるが、感情的断罪を求める権利などどこにもない。「検察庁には上告をしていただき、最高裁の判断を仰いでほしい」とわめいた遺族にはこの判決を潔く受け入れるよう勧告する。これが国際社会の声なのだ。
 遺族の母親は控訴審でも被害者参加制度を悪用して裁判官に遺族の無念さを述べ、「被告は死をもって犯した罪を償ってほしい」と被告へのヘイトスピーチを繰り返した。これでは被告の反省につながるとは到底思えない。裁判官が毅然とした姿勢で『法廷は被告人へのリンチの場ではない』と指摘叱責して母親に退場処分を下すべきだった。後述するように国際法で言う法廷侮辱罪であり、絶対に許してはいけない。
 母親は夜中に目が覚めるたび、「娘を守ることができなかった」と自分を責め、無力感から日常生活を送ることもつらく、定期的にカウンセリングを受けているという。ならば、裁判員制度よりは遺族のカウンセリングを支援することが必要なのは論を待つまい。
 私は被告人に死ぬまで罪と向き合うことを望む。私がそのことを考えるのは、ジム・ヘンソンの作成した『ストーリーテラー』の下記の話から着想したものである。



第5話:「兵士と死に神」(ロシア民話より)
監督:ジム・ヘンソン
ゲスト出演:ボブ・ペック(兵士)
スチュアート・リッチマン(物乞い)
ウォルター・スパロウ(物乞い)
アリステア・フラートン(死神)

(物語)
… 遠い遠い昔のこと。ある国で、20年も続いた戦争がようやく終りを告げた。1人の正直者の兵士も家路を急いでおった。持ってるものといえば、コイン1枚とビスケット3枚。王室直属の軽騎兵隊だったことを示す腕章をつけ、しかしそれ以外の身なりはボロボロでひどいもんだった。髪もひげも伸び放題の有様でな。彼は下手くそな口笛を吹きながら歩き続け、やがてコインも使い果たしてしまった。そのとき、道端でフィドルを奏でる物乞いに出会ったんだ。あまりに素晴らしい音色に兵士も口笛を合わせたが、あいにく金の持ち合わせはない。彼はビスケットを1枚、物乞いに与えた。その物乞いは感謝し、謎めいた微笑を浮かべながら、兵士の口笛がもっと上手くなると請合ったんだ。するとどうだ、兵士の口笛が小鳥のさえずりのように妙なる音色を奏でるようになったではないか!彼はまた道端で物乞いに出会った。今度の男は太鼓をたたいている。兵士は口笛を吹きつつ、くたびれたブーツのかかとを鳴らして陽気に踊り始めた。もちろんその物乞いに2枚目のビスケットを与えてな。彼は3人目の物乞いに出会った。今度の男は見事な手さばきでカードを繰っている。魔法のようなその手際に感嘆した兵士は、物乞いにビスケットを与えようとするが、残念なことにもう1枚しか残っていない。そこで彼はそれを半分に割ったのだが、良心が咎め、思い直して結局1枚分くれてやったのだ。物乞いは感心し、絶対勝負に負けないというカードと、望むものはなんでも、命じればすぐ袋の中に入るという不思議なずた袋を兵士に贈った。
兵士はこの不思議な贈り物に喜び、さらに先を急いだ。川にたどり着いた彼は、試しにガチョウに袋に入るよう命じてみたんだ。するとガチョウはなんとも従順に袋の中に入っていった。兵士はこの獲物を持って街の宿屋に赴き、宿代の代わりにした。宿の主人は腕によりをかけてガチョウを料理し、兵士は久方ぶりのご馳走にありついたのさ。旅の疲れがとれた3日後、彼が部屋の窓を開けると丘の上に宮殿がそびえているのが見えた。なんでもそこはかつては国王の宮殿で随分繁栄したのだが、今は博打好きの悪魔の巣窟に成り果てているのだそうだ。彼らが毎晩金を賭けてカードをするという話を聞き、兵士の頭にある知恵が浮かんだ。彼は、例の袋をかつぎ、口笛を吹きつつ宮殿へ。
宮殿内は荒れ果て、人骨が転がり、静まり返っていた。兵士は口笛を吹きながら悪魔が出てくるのを待つ。果たして、真夜中の12時を告げる時計の音と共に、真っ赤な顔に裂けたような口、頭には角を生やしてこうもりのような羽根を持つ悪鬼たちが群がってきた。勇敢な兵士は驚きもせずにカードを取り出し、樽いっぱいの金を賭けて早速勝負を始めたんだ。しかしそのカードは絶対負けない力を持っている。何度勝負を繰り返しても、兵士の勝ちは変わらなかった。負けがこみ、悪魔達は頭から煙を吹きだして苛立つ。結局そのまま夜が明けてしまった。兵士は例の袋を取り出すと、彼らを1匹残らず袋の中に封じ込めた。そのまま袋を壁という壁に叩きつけ、悪魔達を散々痛めつける。兵士は、1匹の悪魔を家来にし、二度と悪さをしないことを条件に彼らを解き放ってやった。

悪魔はほうほうの態で地獄へ逃れ、兵士を恐れて固く固くその扉を閉ざした。一方兵士は、悪魔を退治した英雄として王様から褒美を頂き、金持ちになった。彼は妻と息子にも恵まれてこの上もなく幸せに暮らしたんだ。ところがある日、その幸せに翳りがさした。息子が高熱を出して苦しみ始めたのだ。どんな薬も効かず、死を待つばかりになった息子を見て、兵士はふと家来にした悪魔のことを思いだした。呼び出された悪魔が水の入ったグラスを掲げ、息子を覗きこむと、その足元には蒼白な顔をした黒衣の男がうずくまっていた。死神だ。死神が人間の枕元までやってくると、その人間は助からぬという。そうなる前にグラスの水を振りかけて退散させればよい。息子の高熱は嘘のようにけろりと治り、兵士はそのグラスと引き換えに悪魔を自由にしてやった。
やがて兵士は奇跡を起こす男として、魔法のグラスを持ち、死にゆく人々を救済する旅に出た。死にかけた病人の足元に死神がおれば、水を振りかけてこれを追い払い、枕元におれば遅すぎたと悲しんだ。大抵は間に合って多くの命を救い、感謝されていたのさ。ある日兵士の下に、老いた国王からの手紙が届いた。王様が死の床に臥し、早急に助けが必要だというんだ。兵士はいつものようにグラスを透かして王様を覗き込んだ。ところが、死神は既に王様の枕元に居座り、不気味な笑みを浮かべている。手遅れだった。王妃様はご自分を身代わりにと懇願したが、兵士にはそんなことはできない。そしてグラスを通して死神に語りかけたのだ。王様の代わりに自分にとり憑いて欲しいとな。死神はすぐ王様の傍から姿を消した…。王様をはじめ、奇跡の出現に沸き立つ皆を置いて、兵士は静かに去っていった。
兵士は自宅で患いついた。だが顔に死相が現れてもなお、彼は諦めるということを知らん男であった。彼はグラスを透かして死神を確認すると、魔法の袋を取り出し、奴をその中へ封じ込めたのだ!兵士が死神を捕らえた噂は瞬く間に国中に広まった。翌朝には世界中に。兵士は、死神を捕らえた袋を森の奥深く、一番高い木の枝に吊るした。そしてためしに、自分がそこから下に飛び降りてみた。だが、死神のいない世界に死は存在しない。やがて世界中の誰もが死ななくなった。戦争をしても誰もかれも無傷だし、心中した恋人達もぴんぴんしとる!永遠の命を世にもたらした兵士は、たちどころに有名になった。彼は口笛の吹き方も思い出して上機嫌であったが、ある日窓の外を見て衝撃を受けた。そこいら中に、死に切れずに老いさらばえた身体を引きずる、哀れな老人達があふれていたのだ。安寧な死の迎えを待っていた彼らは、しかし一向に死ねずに苦しんでいた。兵士は彼らの苦しみに耐えかね、死神を袋から解放した。誤った行いをしてしまった自分を殺し、世界にあるべき死を戻して欲しいとな。だが死神は兵士と袋を恐れて、彼の元から逃げ出してしまった。
こうして、再び地上には死が戻ってきたが、死神に恐れられた兵士だけは死から見放され、生き続けることになった。周囲の人々が老いに従って安らかに死んでいくのを見ながら、1人取り残される苦しみはいかな兵士とて耐えがたい。彼は骨と皮ばかりになった身体をようよう引きずり、ある日地獄へ降りていった。罪を犯した自分の魂を地獄に入れてもらうためだ。しかし、袋を抱えた兵士の姿を見るや、悪魔は怖がって門扉をしっかと閉めてしまう。そこで兵士は粘りに粘り、天国への地図を悪魔からもらいうけると、一緒に200名の迷える魂を引き連れて天国の門まで導いていった。彼は天使に、死神を捕らえた非を詫び、200名の魂と共に天国へ入る許しを乞うたが、彼だけは許されなかった。兵士は1人に袋を託し、天国の中に入ったら自分を袋の中に入れるように頼み込んだ。しかしな、天国には“記憶”というものは存在しないんだ。魂は天国に召されると、生まれる前の姿に戻ってしまうから。兵士は長い間天国の前で待ち続けたが、やがてその存在を忘れられ、諦めて地上に引き返した…。そして今もどこかでさまよい続けている。
かわいそうだと思うかね?いやいや、この我が良き友人は簡単にくじける男ではない。今もどこかで信念を曲げずに頑張っておるさ!
http://blackmamesu.at.webry.info/200912/article_2.html
ブログ主様、引用をお許し下さい。

 この話からも、被害者遺族がやるべきことはただ一つ。
 感情的断罪を求めるのではなく、事件の再発防止と被告人のような人間が出てこれないようにするには何が必要化を考えることだ。法廷で感情的断罪を繰り返すなど被告に対する公的リンチを行った段階で、被害者遺族は被告と一緒になって被害者の魂を汚した。絶対に許されないことであり、国際法で言う法廷侮辱罪が成立することは論を待たない。
 その上で、今回のコラムはかなり長いものになる。皆様方には骨が折れるかと思うが、お許し頂きたい。

1.二人の罪人に見る死刑
 宮崎家族3人殺害事件とは、2010年3月1日に宮崎県宮崎市で一家3人が殺害された事件である。
 この事件では被告人である夫が義理の母、妻、そして息子を殺し、『最高裁』で死刑が『確定』している。しかし、被害者遺族は一審の宮崎地裁での死刑を求める証言を変更し、審議のやり直しを求めるなどしている。
 この事件の原因は、被害者の義母が被告の出生をめぐり被告に辛く当たったことが要因であることは論を待たない。被告人は明らかに反省しており、死刑にする必要が無いのは国際法上も明らかである。
http://tocana.jp/2015/04/post_6301.html

 山口県の5人殺傷事件の男性のケース
 山口連続殺人放火事件とは、2013年7月21日に山口県の周南市金峰(旧鹿野町)で発生した、近隣に住む高齢者5人が殺害された連続殺人・放火事件である。
 事件の内容については裁判中である他、被告人が被害者共からの長期間の嫌がらせ被害による精神疾患に陥っているため、刑罰についてはコメントは差し控えたいが、裁判停止になるべき代物なのは明らかである。
 その嫌がらせの内容は明らかに犯罪クラスそのものであり、最悪の場合は刑事事件そのものであると指摘せざるを得ない。

『被害者』
①貞森誠 (71)喜代子(72)夫妻
②山本ミヤ子(79)
③石村文人(80)
④河村聡子(73)
※この事件の詳細からも被害者が被告人に対してハラスメントや命に関わる犯罪行為を犯していることが判明したため、実名を公開して社会的制裁を下します。ただし、罪のみを私は憎むのであり、人格攻撃は絶対に許しません。

 被告人は村おこしを提案したが近隣住人に大反対された上に更に集落で一番若いと言う理由で草刈りを一人でやらされていた。これは明らかなハラスメントである。草刈り機や燃料は自腹購入させられ、近隣住人が無断で被告人の草刈り機を燃やし「刈った草と一緒に燃やした。 あら、あなたのだったの」 と暴言した。この時点で器物損壊罪が成立するのは言うまでもない。
 被害者の一人に胸を刺され刑事事件となったこともある他、被害者に退職金を配るよう強請られていた。こんなものだから自治会を抜け村八分(イジメ)にあい、この頃から安定剤(通院は不明)を飲み始めた。嫌がらせがエスカレート、警察に相談、いたずらや物を盗られるため車庫にアミと監視カメラ設置を設置せざるを得なくなっていた。
 控訴審でも被害者遺族共は無罪を主張して謝罪もなく法廷を立ち去る被告人を無表情に見つめ、閉廷後に弁護士を通じて「上告せず刑に服してほしい」と暴言したが、被害者が犯した罪について被告人の前で土下座して真摯に謝罪すべきなのは論を待たない。全てはそこから始まると厳しく指摘したい。
 5人の遺族たちには『法廷は被告人へのリンチの場ではない。逆に被告人の精神疾患を悪化させただけだ』とハッキリ指摘しておこう。妄想性パーソナリティ障がいを悪化させて、反省の機会を奪うようでは本末転倒だ。
http://tocana.jp/2015/10/post_7674_entry.html

2.明確な冤罪なのに死刑を執行されたケース
 飯塚事件も悪質なケースである。
 1992年2月20日に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された事件である。逮捕・起訴された男性が明らかな無実を立証した物的資料を出したのにもかかわらず死刑判決が下り、2008年に不当に死刑が執行され、男性は殺された。この犯罪行為を私は絶対に許す訳にはいかない。当時の『法相』森某を私は書人両断で断罪したが、断罪してもし足りないほどだ。
 2009年に男性の妻が再審請求し、現在審議中の事件である。私は被告人の無実は明らかだと物的証拠から判断せざるを得ない。弁護団(徳田靖之団長)は、2012年10月に記者会見を開き、犯人のものとされるDNA型の写真のネガフィルムを鑑定したところ、ネガの周辺部分が写真では切り取られており、その切り取られた部分から第三者のDNA型も確認された旨、及び、そのような切り取りをしたこと等を根拠に改竄捏造の可能性があると指摘し、検察は詭弁で誤魔化そうとしている。
 しかし、疑わしきは罰せずが国際法の常道だ。こういったことを理解できないド外道には呆れて話にならない。故に司法に民主主義を取り戻せというタイトルが見えてきたではないか。

3.感情的断罪が法廷でまかり通る
 法廷は被害者による被告人へのリンチの場に成り下がった。
 被害者参加制度が導入されてから、きちんとした裁判が行われなくなっているではないか。ただですら冤罪率が極めて高い日本の司法が、被害者の厳罰感情に振り回されて事件の発生や再発防止という基本的な原点をおざなりにしているとしか思えない。
 そんな状況下では冷静な裁判は期待できない。被害者も被害者遺族も安易に法廷でヘイトし放題でいいのかと私は危惧している。
 アムネスティは日本の司法の前近代性に対して厳しい改善勧告を突きつけた。そのことを深刻に受け止めなければならないのは言うまでもない。

4.裁判の原点に立ち返るべきだ
 国際法に従うことは日本国憲法の義務でもある。
第九十八条
 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
※ただし、国民の合意がない条約・国際法規についてはその規定に従う必要はない。
 日米安全保障条約・TPPはよって国際法違反であることは言うまでもない。

 1946年少年法で被害者・遺族の立会を禁止したことは、裁判の民主化にとって大切な一歩だった。
 社会に復帰させて反省させることで、被害者・遺族の思いを汲み取る形になると考えたのだが、その当時は経済だけの強化が優先された結果、反省がおざなりになった。その結果形になって謝罪の意志が見えてこなかった。
 まず被害者参加制度の大幅見直しは待ったなしだ。以前述べたような改正は最低限の提案だが、それ以上に検察の持つ全ての物的証拠を被告人弁護人が見ることが出来る仕組みを構築すべきだ。それにより、公平な裁判の実現になる。更に刑事事件については裁判官による裁判として、民事については裁判員制度を導入すべきだと考える。
 死刑廃止を命じる国際法に従い、死刑執行制限法の制定を2017年6月までに実現する必要が出てきていることも言うまでもない。厳罰化を繰り返せば繰り返すほど、犯罪の構造そのものにはメスが入るどころか犯罪の凶暴化を招きかねない。現に高齢者で万引きを繰り返して捕まっているケースもある。
 このままの醜態では、私は裁判にAIの導入もありうると見ている。

2016年10月24日 11時50分00秒
人工知能で判決を下す「裁判官AI」を開発、訴訟時間の短縮化が可能
http://gigazine.net/news/20161024-artificial-intelligence-judge/
 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のニコラオス・アレトラス博士らが、人工知能の「裁判官」を開発しました。実際に欧州人権裁判所の評決と比較したところ、精度は79%だったとのこと。
AI predicts outcome of human rights cases - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-37727387
Artificial intelligence 'judge' developed by UCL computer scientists | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2016/oct/24/artificial-intelligence-judge-university-college-london-computer-scientists
 これはUCL、シェフィールド大学、ペンシルバニア大学が共同で研究しているもの。コンピューターが司法判断を下せるようになるということは1960年代の専門家が「予言」していましたが、このAIは、法律の判断だけではなく、道徳的な側面にも配慮しての判断が行えます。
 アレトラス博士らは、AIの学習のために、欧州人権条約の第3条「拷問の禁止」、第6条「公正な裁判を受ける権利」、第8条「私生活、および家庭生活の尊重についての権利」の3点にまつわる事件で、公開されているデータセットを584件分スキャン。バイアスや誤学習を防ぐために、学習した「人権侵害」の件数と同じだけの「非侵害」案件のスキャンも行いました。共同研究者であるVasileios Lampos博士は、理想としては「公表された司法判断」ではなく「人権裁判所への申し立て」を使用してテスト・改良を行いたいものの、そのデータにはアクセスできなかったことから公表された要約を利用したと語りました。
 しかし、それでも裁判官AIは、欧州人権裁判所で行われたのと同じ司法裁判を行わせたところ、79%の精度で判断を下しました。結果を見てみると、似たような複数の事例で判断が「人権侵害」と「非侵害」に分かれたようなケースでは、AIは判断に悩んだとのこと。
 すでに、IBMのスーパーコンピューター「ワトソン」の計算能力を利用した人工知能「ロス」が、ベイカー&ホステットラー法律事務所に「雇用」され、破産問題に対処しています。
 アナリストのマット・ジョーンズ氏は、AIにはまだ「ニュアンスの理解」という点には難しいところがありそうだと条件をつけつつも、タスクの一部を自動化することで、訴訟の時間を節約する大きな力を秘めていると語りました。


5.今のままではアメリカ『三振法』の悪夢を繰り返す
◇米刑務所が「老人ホーム」化? 受刑者の高齢化進む  2009.11.21
ジョージア州ハードウィック(CNN) 車いすに乗った高齢者がトランプに興じ、個室には医療用のベッドやおむつ、酸素吸入器が常備されている。老人ホームか病院のような光景だが、ここはジョージア州男子刑務所。受刑者の高齢化が進み、そのケアに多額の費用がつぎ込まれている。同様の傾向は全米各地の刑務所でみられ、州当局が対応に苦慮している。
 ジョージ・サンゲ受刑者(73)は妻への暴行罪で15年の刑を言い渡され、05年からこの刑務所に収容されている。脚にまひがあるため車いすとつえが手放せず、視力はほとんど失った。1日2回の服薬も欠かせない。所内で2度心臓発作を起こし、病院へ運び込まれた。
「ここでは皆が手を貸してくれる。とても親切にしてもらっている」ゆっくりとした口調でそう話す。
 ここは州内の刑務所の中でも高齢者が多く、中には第二次世界大戦の復員兵もいる。
 最年長者は89歳だ。ほとんどすべての受刑者が、認知症や高血圧、糖尿病など健康上の問題を抱えている。
 米司法省の統計によれば、米国内の刑務所に収容されている55歳以上の男性受刑者は、99年の4万8800人から07年には8万9900人まで増加した。高齢者人口や高齢者による犯罪自体が増えていること、90年代に多くの州で、罪を3回重ねた被告に自動的に終身刑を言い渡す「三振法」が導入されたことなどが要因とみられる。
 これにともない、刑務所での医療費問題が表面化した。「残酷な刑罰」を禁じる合衆国憲法の下、受刑者の医療にかかる費用は各州当局が負担するよう義務付けられ、その総額は全米で年間約30億ドル(約2700億円)に上っている。
 刑務所制度の規模で全米トップクラスに入るジョージア州では、65歳以上の受刑者にかかる医療費が8500ドル(約75万5000円)と、65歳未満の950ドル(約8万4000円)をはるかに上回り、州の財政を圧迫しているという。バージニアやペンシルベニアのように、医療設備や看護態勢を整えた高齢者専用の刑務所を設けた州もある。ホスピスの機能を持つ刑務所は全米で約75カ所と、10年前の10カ所から急増した。一部の州ではコスト削減のため、高齢の受刑者の早期釈放を進めているが、これに対しては再犯の恐れなどを指摘する反対意見も強い。
 「有刺鉄線の中の老人ホーム」とも呼ばれるジョージア州男子刑務所で、サンゲ受刑者は分厚い眼鏡越しに、ロッカーから取り出した古い写真を見つめていた。「これはベティだな」妻の顔と分かるまでに、しばらく時間がかかった。なぜ暴力を振るったのか、今となっては説明できない。同受刑者は当時69歳。
 前科はなく、子どもや孫にも恵まれていた。「悪いことをしたな。本当に悪かった」??写真に向かってただ何度も、そうつぶやくばかりだ。
ソース(CNN)http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200911210001.html

 感情的断罪の成れの果ては、こういう結果になる。
 被害者遺族達は己の発した言葉に対してどう責任をとるのか、私は厳しく問いただしたい。

6.刑事裁判はもはや完全破綻した
 刑事裁判における裁判員制度の導入に際し、カトリック教会と真宗大谷派は反対した。
 カトリック教会は過料を払ってでも拒否すべきだと言い切り、真宗大谷派は死刑制度の廃止を強く迫った。それほど、司法の前近代性が深刻であるということだ。感情的厳罰が横行した結果司法の平等は崩壊し、事件の真相解明も教訓も得られなくなった。そして、被害者の公的リンチの場に裁判は成り下がった。

青森・強盗強姦懲役15年判決 量刑不当、被告控訴へ
2009年09月16日水曜日 河北新報

 2006年7月及び2009年1月に青森県十和田市のアパートでそれぞれ別の20代女性に包丁を突きつけ、現金を奪った上に暴行に及んだ2件の強盗強姦事件で、性犯罪を初めて審理した全国3件目、東北初の裁判員裁判で、強盗強姦(ごうかん)罪などに問われた本籍千葉県内、無職A被告(20代前半/当時)は15日、求刑通り懲役15年とした青森地裁判決(小川賢司自称裁判長)を不服として、控訴する方針を弁護人を通じて明らかにした。
 主任弁護人の竹本真紀弁護士は、控訴理由を「量刑不当」と説明した。
 9月2~4日に開かれた裁判員裁判でA被告は起訴内容を認め、検察側は懲役15年を求刑。弁護側は最終弁論で「被告は若く、立ち直りの兆しを見せている」として、懲役5年が適当との意見を述べた。
 竹本弁護士は判決後の記者会見で「被告が若いことなど、弁護側の主張は酌んでもらえた」と話していた。
 二審に裁判員は参加できず、市民感覚を反映したとされる一審判決を高裁がどう判断するか注目される。最高裁司法研修所は「控訴審はできる限り一審を尊重するべきだ」との研究報告書を公表している。
 判決によると、A被告は十和田市で2006年7月と09年1月、女性に性的暴行を加え、現金を奪うなどした。

 この裁判では極めて異様な展開が行われ、被害者参加制度を悪用して被告人への厳罰感情ばかりが強調され、事件が何故起きたのかという原因究明がおざなりになってしまった。その結果、懲役15年を最低裁が容認する権力犯罪の被害を受け、懲役を押し付けられている。
 A被告は祖母に育てられ、第1の強姦事件と第2の強姦事件が時期が離れていることから計画性や悪質性を否定、第1の強姦事件が未成年時の犯行であることから加害少年更生の観点を重視した少年法の精神を指摘、また取調べをした警察官から「お前が裁判員裁判の1号だ」と脅され、捜査機関が逮捕の時期を遅らせて裁判員裁判の時期に合わせて逮捕した可能性を指摘、事件放置による被害が拡大した可能性がある問題点を指摘した。その上で弁護側は懲役5年を求めたが、当然の指摘だろう。市民団体『裁判員制度はいらない! 大運動』(東京)は、午前10時の開廷直前まで抗議行動を展開した。呼び掛け人の1人の織田信夫弁護士(仙台)は抽選風景を目にし、「人に刑罰を与える厳粛な場というより、まるでショーのようだ」と痛烈に批判した(河北新報より)。
 私個人はこの事件については懲役10年、居住及び接近制限で充分だと考える。15年は被害者の感情厳罰そのものでしかない。それでは犯罪被害の再発を防ぐことは無理だ。
 更にノーベル財団からも日本の異様さを指摘された。これはたいへん笑えないことだ。

【国際】
ノーベル平和賞 「九条を保持する日本国民」は不可
2017年3月4日 東京新聞朝刊
 【ロンドン=小嶋麻友美】ノルウェー・ノーベル賞委員会の事務局は二日、今年のノーベル平和賞候補として二百十五人、百三団体の計三百十八の推薦があり、過去最多だった昨年に次いで多かったと発表した。一方、受賞資格を巡って事務局は本紙の取材に、一般に「国民全体」は「受賞の基準外」と述べた。
 推薦資格があるのは国会議員や大学教授で、毎年一月末に締め切られる。委員会は候補の名前を明らかにしていないが、日本からは、市民団体が訴える「憲法九条を保持する日本国民」や「九条の会」、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が推薦され、今年も候補になっているとみられる。民間団体の国際平和研究所(オスロ)のハルプビケン所長によると、トランプ米大統領やロシアのプーチン大統領も推薦されている。
 ただ、事務局のノルウェー・ノーベル研究所によると、この段階では有資格者からの推薦すべてを候補として登録している。推薦者には受理の通知が送られるが「受賞基準に合うかどうかの見解を示すものではない」という。
 受賞対象は三人以下の個人や組織・団体と定められ、候補者の自薦は認められない。「日本国民」が受賞できるのかについて、研究所は「国民は一般に三人以上で構成される。組織でもない。したがって賞の基準を外れる」と指摘。
 自薦の解釈を巡っては「仮に全国民が候補者として有効でも、その一員からの提案は自薦と見なされる」との見解を示した。日本の国会議員や教授らによる「日本国民」の推薦は、自薦に当たると示唆した。
 「日本国民」への授賞運動を広げてきた「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会の鷹巣直美共同代表は「特定の団体にしなかったのは、人々に九条を自分事として考えてもらいたかったから。受賞対象をどうするかは今後検討するが、九条が世界にとって大切であることは発信し続けたい」と話した。

 このニュースから見えることは、ノーベル財団も今のネオナチジャパンの暴政に対して深刻な懸念を表明しているということだ。
 バカウヨ共は大喜びしているだろうが、まさに国益を逸する行為をして喜んでいるのと同じであり、まともな人達から言わせると売国奴ということになる。司法に民主主義を取り戻すべきなのだ。