2017年3月11日土曜日

V・ファーレン長崎の経営危機を招いたもの

 今回は通常とは異なり緊急の更新を行う。
 まず、東日本大震災から6年、全ての被災者と震災被害者、そしてご遺族に哀悼の念をこの場で表明したい。
 そのうえで、場違い感が強いとは思うが、モラルの観点で今回J2のV・ファーレン長崎を取り上げたい。

[西日本新聞]V・ファーレン長崎来季J3降格危機 臨時株主総会「来月にも資金不足」
http://www.nishinippon.co.jp/nsp/v-varen/article/311622 2017.3.2
経営悪化のため池ノ上俊一社長が辞任を表明しているJ2V・ファーレン長崎の荒木健治会長は1日、長崎市内で記者会見を開き、財務改善に向けて新たな出資企業が現れなければ、4月にも社員らの給与支給が滞る資金不足に陥る可能性があると明らかにした。その上で給与未払いが起きた場合に「来季のJ3降格の恐れがある」とも述べた。
 クラブは同日、臨時株主総会を開き、2016年度に過去最悪の赤字1億2000万円を計上する見通しなどを報告。2月からの17年度の業績次第では債務超過に陥る恐れもあるとした。
 荒木会長は、増資について県内外の複数企業と交渉しているが、現時点でめどは付いていないとした。金融機関からは運転資金の融資条件として安定した経営体制の整備を求められており、荒木会長は「J2の長崎を残すため全力を尽くす」と話した。
2017年03月01日 長崎文化放送
V長崎 臨時株主総会
 約1億2000万円の赤字に陥っているサッカーJ2、V・ファーレン長崎が臨時株主総会を開きました。
 経営状況は4月までに大口スポンサーが決まらなければ、給料支払いの遅れが発生する可能性がある「危機的な状況」です。午前11時に始まった臨時株主総会には、池ノ上俊一社長(49)や荒木健治会長(60)など先月、新体制になった役員4人、そして29人の株主が出席しました。非公開で行われた臨時株主総会。V・ファーレンによるとクラブ側は大口のスポンサーを探して過半数に近い株を取得してもらい、経営改善を図りたいという提案をしました。これに対し株主側から異論は出なかったということです。チームはJ2開幕戦で快勝し、好スタートを切りましたが来月の株主総会までに大口のスポンサーが決まらない場合、選手や従業員などの給料の支払いが遅れる可能性があり、その場合、Jリーグがチームの成績に関係なくJ3に降格させる場合もあるということです。荒木会長によると大口のスポンサーについて県内だけでなく県外も含めた複数の企業に話をしているということです。
 また一部の報道で長崎市戸石町にあるクラブハウス内の整骨院で柔道整復師以外のトレーナーの施術で診療報酬を不適切に請求していたのではないかとの疑いについて池ノ上社長は内部監査の結果「弁護士の返答では違法性はない。しかし不適切な可能性があるかもしれない」と話しました。整骨院は去年9月から2カ月間運営され保険請求額は数万円。Jリーグの調査後、結果を公表するとしています。また池ノ上社長はすでに辞任を表明していて来月の株主総会で退任すると見られています。今年度の予算は昨年度の9億円から1億円削減した8億円。チーム創立12年目のV・ファーレン。大きな危機を迎えています。

 その後、NOVAホールディングスは以下の提案を行った。
 ①5億円出資し筆頭株主になる
 ②広告スポンサー料含める
 更に一歩前に踏み出したのはジャパネットホールディングスだ。
 1.完全子会社化を目指す
 2.3年間で10億円以上を投資
 3.ジャパネットたかた創業者の高田明氏が経営の立て直しを主導する

 そして不可解な話はここからだ。

サッカーJ2長崎、NOVAの支援受け入れ表明
2017/3/10 19:37
日本経済新聞
 サッカーJ2のV・ファーレン長崎(以降長崎)は10日、長崎市で記者会見し、同日発表した、ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)の株式を100%取得する提案について、「17日までに今後の体制についてJリーグに報告するよう求められており、時間がない。NOVAの提案を受け入れたい」(荒木健治会長)として、NOVAホールディングス(東京)の支援を受け入れる考えを表明した。
 長崎は2017年1月期に約1億2000万円の赤字になったもよう。4月以降の資金繰りや給与の遅配などの懸念が出ており、英会話教室大手のNOVAホールディングスと出資交渉をしている。
 長崎は第三者割当増資を実施するが、NOVAの出資比率は35%程度になるもよう。記者会見で荒木会長は「いざとなれば、県内資本で過半になる。大部分の県民はジャパネットを支持すると思う。クラブ存続のためにこうした決断をせざるを得なかったのは申し訳なく思っている」と語った。

 この長崎は、最近経営危機が持ち上がった際にサポーターから以下のことが指摘されており、不十分な説明に終止している。

※池ノ上俊一『社長』がやってきたこと
・現場に乗り込んで監督差し置いて選手指導。
・スタジアム入りする選手バスに同乗してスタジアム入り。 ←歴代社長は早く来てサポーターグリーティングしてた。
・選手を罵倒したり荷物持ちに使う ←オフに移籍して居なくなった。
・反抗した選手・スタッフに「辞めさせる」発言 ←居なくなった。
・スタジアム外のイベントに顔を出さない,サポーターの挨拶も無視。
・目障りな古株スタッフを解雇 ←スポンサー離れる
・創設時からの象徴的な人物達を排除 ←スポンサー離れる
・クラブハウス内に自らが経営する不正な整骨院を開院。
・自分が関係するアミーゴス鹿児島のアカデミーから高校生を2種登録。
・サポーターズミーティングの開催を約束しながら開催せず。
・目障りなサポーター団体を他サポーター団体と結託して排除
・目障りなオフィシャルライターを契約解除&取材禁止
※経営に関与した服部順一前GMが代表理事を務める一般社団法人がクラブハウスの運営に何故か関わっている

 その中でのスポンサー決定に至ったのだが、NOVAの条件が長崎の現経営陣の続投だったのだから驚きだ。サポーターから抗議が殺到したことは言うまでもない。
 そして、このニュースなのだから一体何が本当なのか信用できない。まさしくフェークニュースであると指摘せざるを得ない。「(ジャパネットと)目指す経営の考えに齟齬があり、話し合う時間的な余裕がない」とほざいた荒木の言葉が虚しく響く。

サッカーJ2長崎、ジャパネットHDの支援受け入れ
2017/3/11 1:31
日本経済新聞
 サッカーJ2のV・ファーレン長崎は11日、通販大手のジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)からの支援を受け入れる方針を固めた。
 同様に支援を表明していた英会話教室大手のNOVAホールディングス(東京)の提案を受け入れると表明していたが、方針を転換し、NOVA側には断る旨を伝えたという。長崎はジャパネット傘下で再建を目指す方向になった。
 ジャパネットは長崎を子会社化する意向を示しており、長崎は「詳細は今後話し合いたい」としている。Jリーグから17日までに今後の体制について報告するよう求められていたが「ジャパネットから間に合わせるとの話をいただいた」としている。
 長崎は2017年1月期に約1億2000万円の赤字になったもよう。4月以降の資金繰りや給与の遅配などの懸念が出ており、支援企業を探していた。

 こうして方針を猫の目のごとくくるくると変え、説明もまともにできない。
 こういった経営陣がいるから、経営危機に陥ったのではないか。何故、NOVAにしていたのか。それがどうして土壇場でジャパネットホールディングスなのか。
 長崎県民の支持を得ているのはジャパネットホールディングなのは分かっている。NOVAもサッカー教室の展開の関係で参入したい気持ちはわかる。しかし、何故今ごろになって経営危機が出てきたのか。その何故に経営陣は答えられていない。そして厳しく指摘したいが、歴代社長はどういう根拠で選ばれたのかという説明すらもない。
 こういったことへの積み重ねがまるでない結果、経営陣達は甘やかされてきた。そこが、サガン鳥栖との大きな違いになって現れているのではないか。鳥栖の場合は徹底的な情報説明に答えている。最近の監督選出の際に囁かれたバブルのような話という不安の解消に動いている(サイバーエージェント傘下のサイゲームスがスポンサーになっているため)。
 長崎のサポーターは今、もっと厳しく接すべきだ。愛するのなら、もっと厳しい声を上げて長崎の経営危機が再び起こらないようにしてほしい。