2017年2月22日水曜日

アニメの世界は笑えなくなってきている

 最近のアニメは笑えなくなってきている。
 コメディと言いながらも実態は完全にいじめのトラウマなのが『政宗くんのリベンジ』、ネット依存症のおぞましさを描いているのが『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』ではないか。前者は過去太っていて『豚足』と悪口を言われた少年がダイエットして悪口を言った少女の彼氏になって振ろうと暗躍する内容だし、後者に至ってはヒロインが現実とネットの区別が全くできず、主人公の名前を本名ではなくネトゲのハンドルネームで呼ぶ有様である。
 これらをまともな人はブラックジョークというのだが、そのことの深刻さをネット傀儡は理解できていない。ただ単に売れれば何でもかんでもいいという歪んだ数値主義がはびこっているだけではないか。
 そしてこういったものに傾斜する人達にも問題がある。
 いわばヴァーチャル彼氏にヴァーチャル彼女である。『艦隊これくしょん』がそのいい例ではないか。更に突っ込んで言えば『戦国BASARA』だ。こうしたもので現実逃避を繰り返し、ネットに引きこもる輩が増えてくるのも無理はない。
 仕事が無いなら、自分たちで作る努力も必要だ。現実は常に厳しく怖いものだが、シビアに見続けて、反吐が出るような努力をしたものにしかその喜びは来ない。いわば人生に『竜宮城』はないのだ。ただあははあははと言っているだけでは物事の問題点は見えてこない。
 名古屋市議会議員選挙に立候補した作家の伊藤浩士氏に対し、バカウヨのロキエルなるものが公認を出した社民党愛知県本部に抗議の電話をしたらしいが、その際に『私はロキエルですが』と名乗り、社民党本部がびっくり仰天したという。それほどネットと現実の区別がまともにできていない人達が増えてきている。しかも引きこもっているので結婚相手もいないのも当然だ。
 しかも厄介なことにネットでのヘイトが現実になるというわけだ。ドラえもんの道具で『入りこみミラーII(はいりこみミラーツー)』(『小学四年生』1988年6月号に掲載、藤子・F・不二雄大全集第16巻に収録)なるものがある。
 鏡面世界に入ることができるが、鏡面世界での行動が現実世界にも反映されるという特徴を持つ。使用方法によれば非常に画期的といえるが、物を破壊してしまえば現実世界でも同じものが壊れてしまう(例えば鏡面世界で車を運転して交通事故を起こし、車や塀に傷でもつければ、現実世界でもそうなる)ために隠密性などは格段に劣っているという設定だが、ネットではそれがもはや現実になってしまっているのだから厄介この上ない。
 私の知っている限りにおいてはネットの書き込みが原因で精神疾患を引き起こしたケースも有るのだ。ネットの良さも悪さも私たちは見て行動すべきなのだ。