2014年5月10日土曜日

現実から逃げられない日本スケート連盟

丸山茂樹「浅田真央ちゃんは引退を決めてもいい」


(更新 2014/3/ 8 07:00)

 浅田真央の涙に世界中が感動したソチ五輪。「4年に一度」という怖さを痛感したプロゴルファーの丸山茂樹氏は、彼女の今後にエールを送った。

*  *  *
 ソチ・オリンピック、終わっちゃいましたねえ。ロサンゼルスでテレビで見させてもらいましたよっ。やっぱり注目したのはフィギュアスケートです。
 浅田真央ちゃん(23)のSP(ショートプログラム)を見ていて、やっぱりオリンピックの怖さというか、「4年に一度」の恐ろしさを感じましたよね。
 まさかの16位に沈んだSPでのミスは調整ミスというより、メンタル面が原因となってのミスなんでしょうね。それを裏付けるように、吹っ切れて臨んだフリーは最高の演技でね。
  ゴルフでいえば、1年に一度のオーガスタみたいな感じでしょうか。万全の状態でその日を迎えてるはずなんですけど、思うように体が動かないときがある。ま してや「4年に一度」ですからね。プレッシャーも増幅してしまうんでしょう。世界選手権でうまくいっても、オリンピックではうまくいかない。ジャンルは違 うけど、同じアスリートとしては、よく分かります。
 ジャンプの高梨沙羅ちゃん(17)もダメだったじゃないですか。あれだけ前哨戦で勝ちまくってたのに。だから真央ちゃんに起こったことも、平気でありうることなんです。みんな、人なんですから。機械がやってるんじゃないんだから。
 まぁ~、でも採点競技ってものは、なかなか僕の中では納得いかないですね。何であんなのを人に決められなきゃならないの、と。もう少しいいやり方ないのかな、っていつも思います。
 男子のフィギュアで金メダルに輝いた羽生結弦くん(19)は、初出場のオリンピックで、いきなり頂点に立ちました。
  初出場だから思い切ってできた、ってのもあるでしょうね。ダメでも「次があるよ」って言ってもらえる強みがある。怖いもの知らずでできたと思うんです、 SPまでは。でもああやって、とてつもない点数でトップに立つと、「金メダルを取らなきゃいけない」っていうプレッシャーから、フリーでは転んじゃう。
 ゴルフで言うと、最終日をトップで迎えて、スコアを崩して、でも勝った、みたいな。3日目までのリードが大きかった、と。あれがパトリック・チャン(カナダ)やエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)と1点以内の差で競り合ってたとしたら、どうなってたか。
 でも、どんな展開であっても勝ちきれたってのは、羽生くんが強い星のもとに生まれたということなんでしょうね。同じアスリートとして、それは強く感じました。これはね、勝負師にとってめちゃくちゃ重要なことです。人生を左右しますからね。
  真央ちゃんが3月の世界選手権後に引退する可能性があるんですってね。引退だろうが現役続行だろうが、彼女の決めたことが正解だと思いますよ、僕は。引退 を決めても、それはそれでいい気がします。ボロボロになってズタズタになるまで、人のために頑張ることはないと思うし。もうこれまで十分、ファンのみなさ んのために頑張ってきたはずだから。
 もし引退するなら、今後は自分のために、楽しく、魅せるスケートの道にいけばいいんじゃないでしょうか。真央ちゃんなら、お客さんもいっぱい来てくれるだろうしね。

週刊朝日  2014年3月14日号

 この丸山さんの指摘になによりも安どしているのは浅田選手本人である。
 彼女はこの数年間精神的に追い込まれてきた。もう、彼女をこれ以上苦しめる必要はない。安藤美姫さんにしても、鈴木明子さんにしても、織田信成さんにしてもきっぱり引退した。浅田選手にもその権利はある。これはアーチストとしての誇りなのだろうと思う。
 むしろ日本スケート連盟がやるべきは後進の育成である。そのためには橋本聖子という醜態をさらした自称政治家を切り捨て、「高橋特権」としか言いようのない歪んだ実態を一掃する事から始めねばならない。高橋大輔は実力もないのになぜかオリンピック代表に選ばれるという不可解な実態である。
 そのために人生を狂わされたのは織田さんであり、小塚崇彦選手である。この歪みを厳しく断ち切るには高橋にまず、織田さんと小塚選手の目の前で土下座謝罪させなければならない。そして、福島や宮城を中心とした東北で10年間、被災地を訪問してスポーツ交流を行うボランティア活動に従事しなければならない。
 そして、10年後に福島県に人工樹脂製のスケートリンクを備えたフィギュアスケートクラブを立ち上げ、若手や後進の育成に力を注ぐべきだ。二人の人生を狂わせたのだから、それ以上の苦しみを甘んじて受け入れねばならない。また、織田さんを幹部の候補生としてスケート連盟は受け入れる義務がある。その他にも外国人を使ったナショナルチームのトレーニングをやるべきだろう。
 今の日本はゆがんだ精神主義に汚染されている。それを断ち切るにはそれなりの劇薬が必要なのだ。