2014年2月9日日曜日

「ドラえもん」考


3D版『ドラえもん』はのび太&しずかちゃんの“ラブストーリー”…前田敦子は「ジャイ子」に期待

STAND BY ME ドラえもん

    「ドラえもん」初の3DCG映画化決定! 『ALWAYS 三丁目の夕日』スタッフが制作

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2014年が原作者藤子・F・不二雄の生誕80周年となることから、これを記念して「ドラえもん」史上初の3DCGとして製作される、アニメ映画『STAND BY ME ドラえもん』。そんな本作で、前代未聞のプロジェクトが始動。“未完成”の状態から作品完成までを、前田敦子にローラ、秋元康、トヨタ自動車・社長の豊田章男など著名人10人が見守ることとなったのだ。

今回のこの試みに参加するのは、秋元康(作詞家)、大久保佳代子(タレント)、黒柳徹子(女優)、小山薫堂(放送作家)、田村淳(タレント)、豊田章男(トヨタ自動車 社長)、羽鳥慎一(フリーアナウンサー)、前田敦子(女優)、森永卓郎(経済アナリスト)、ローラ(タレント)と様々な分野から集った各界の著名人たち。

作品の公開に先駆けて、“未完成”の試写会を3回に渡って実施。一般に見せることのない、貴重な未完成映像(メイキング含む)を上記10人に鑑賞してもらい、作品の印象を率直な自身の言葉で語ってもらうというものだ。

気になるのは、このプロジェクトに至った経緯。今回の仕掛け人、クリエイティブディレクターの佐々木宏氏にはこんな思いが。

「“のび太としずかちゃんの恋のゆくえ”と“のび太とドラえもんのはじまりと終わり”。この2つのラブストーリーをみなさんはどう感じるか…。とにかくまず、正直な感想を言ってくれるだろうなと思う人にお声かけをしました。それは勿論、ネガティブなご意見も言ってくださる人。そういう人が3回の未完成試写会で、どう反応が変わってくるのか?」。

さらに、「よくある完成披露試写会直後の、口を揃えての“大絶賛コール”CMは好きじゃないので、こういう通常なら観ることのできない、まだ全然できていない段階の映像制作の舞台裏を観てコメントを頂くのはどうだろう? って。いろんな立場の方に、未完成の段階から映像が出来上がっていくのを、最後まで付き合って観て頂きたい。ぜひ、10人の“子ども経験者”のみなさんと一緒にこの映画を見守ってください」と語っている。

第1回目は先日実施され、そこでは6分間のメイキング映像を上映。果たして、その“率直”な感想とは?

<第1回目“未完成”試写会でのコメント/10名>

■秋元康(作詞家)
周りがもっと刺激をとか、もっと奇をてらったことをやってるときに、ドラえもんがラブストーリーという一番分かりやすい物語に戻っているのはすごく面白いなと思いましたね。望みがいろいろ叶うのに、ドラえもんでもコントロールできなかったことが、その“人間の心”なんだとかいう意味では、すごく面白い。また、ひとりの女性としての生き方として、“しずかちゃんタイプ”かどうかっていうのが飲み屋で語られるようになると思うんですよね。いろんな意味で、相当クオリティー高い作品です。

■大久保佳代子(タレント)
周りのアラフォー独身女子たちは、仕事も大変だし、恋愛も上手く行かなくてギスギスしている人たちが多いので…これを観たら心が穏やかに、ドラえもんのように丸くなれそう。出木杉とのび太のどちらを選択する? 想像するに、最初に出木杉くんと付き合うけど、振り回されたり、自分に自信がなくなって、別れてしまい、ふと見たらのび太がそばにいて、常にそばで見守ってくれて、のび太に落ち着くんだと思います、それが私ですね(笑)。

■黒柳徹子(女優)
やっぱりみんなこれを観ていてそうだ、こういうことがあったって、僕たちはみんな昔は子どもだったんだ、っていうことをこれで思い出すのもね、すごくいいと思います。こんなに平和的で面白い可愛いものって少ないですものね。ちょっと顔がなんか今風っていうか、目が大きい。いいんですけど、あんな大きい目の人はいないので。前の顔の方がいいな~なんて…まぁいまの若い子はどうなんでしょう。藤子さんはあっちで「へ~こんなにやってるんだ」ってお喜びだと思いますよね。

■小山薫堂(放送作家)
のび太君に感情移入してしまいまして、自分の子どもの頃に似ているような、いつもドラえもんがいたらいいなと思ってました…自分の時間を巻き戻されたような感じがしまして、ラブストーリーって一歩間違えるとものすごく安っぽくなる気がするので、それを山崎さんとかがどうもっていくのか楽しみです。未完成試写会って企画、ちょっと嫉妬しますね。こういうやり方ってあまりないので、ズルいなって思いました。「ドラえもん」卒業生が全部集まる同窓会のような感じになるんじゃないかなと思います。いままでの倍くらいいくんじゃないですか? これ世界でもかなり受けるんじゃないですかね。

■田村淳(タレント)
オレの好きなスネ夫がすごい気になりますね。スネ夫の声優オーディションも受けたことがあるので(笑)。雪山でしずかちゃんが遭難っぽいのして、意外と大人でもハード目の恋してるな。のび太が大丈夫かなって心配になったり。3DCGだとドラえもんのさらなる向こう側のものが見えてきて、いろいろ頭の中で想像していたのが正解で出てくるわけで。思い描いていたよりも、タケコプターってすげぇんだなって。ただ懸念点は、一度この3Dのドラえもんを観ちゃうと、3D観てないんならドラえもん語るなよっていうヤツ出てきそう。

■豊田章男(トヨタ自動車 社長)
夢って自由ですね。空を飛んだり、時間を越えたり、ドアを開けて遠い国に行ったり。それを実現したいという想いが、努力や工夫、情熱なんだと思いますね。ドラえもんは、子どもたちの夢を無限に大きなものにしてくれるし、みんなドラえもんに出会って育ってきたと言ってもいいくらい。そんな出会いがあったからこそ、日本独創の技術や技能、イノベーションが生まれてきたのかもしれないなと。ドラえもん、ありがとう。日本が「もっといい日本」になっていくためにこれからも私たちのそばにいてください。

■羽鳥慎一(フリーアナウンサー)
ドラえもんファンの人が、気になる場面挙げてくださいって言ったときに絶対出てくる場面が全部入っていて。数分でこの状態なので、100分はまずいですね。100分は持たないです。ハンカチじゃなくてタオルですね。いまので泣きますもん。3Dっていうと、また変なことしちゃって…みたいなのが全然なくって、面白いです。しずかちゃんの選択…大人がいろんな話をするきっかけになれる映画になりそうな感じがします。

■前田敦子(女優)
出木杉くんがカッコよかったです(笑)。相変わらずハンサムで、すぐ分かりました。ラブストーリー…のび太君としずかちゃんはもちろんですけど、のび太君とドラえもんも友情のラブストーリーですよね。本当にお互い好きなんだなって。ジャイ子役もやらせていただいたので、ジャイ子もどうなるかすごい楽しみです。

■森永卓郎(経済アナリスト)
一番衝撃を受けたのは、しずかちゃんですね。今までのアニメのしずかちゃんで脳裏に焼き付いていて、20年ぶりにあったら結構ショック受けちゃうみたいな(笑)。そんな感じ? 私フィギュア集めてるんですよ。フィギュアは全面変更を迫られるでしょうね。大体のび太みたいな男がしずかちゃんにモテるっていうのは、男の妄想として最大級の幸福なわけです。

■ローラ(タレント)
なんだろう? リアルになった分、なんかもっとドラえもんが近くにいる感じがして、あと、のび太君もあれ? なんか魅力的かも? って、ちょっと思っちゃった。なんかドラえもんと“LOVE”ってイメージなかったから、でも、私ね、コレ絶対恋人とかと行きたい。デートでドラえもんってイメージなかったけど、これはすごい行きたい。

この試写を終えて、本作の監督を務めた八木竜一と山崎貴は、「すごいプレッシャーです、もちろんいい意味で。みなさんの予想を超えるよう、スタッフ一丸となって、『懐かしくて新しいドラえもん』を目指してがんばります」(八木監督)、「こんな段階から観てもらえて、期待されて嬉しいです。スタッフにとっても、これからの苦しい時期を乗り越えるための大きな励みになると思います。皆さんが応援して良かったと思える物になるよう頑張ります」(山崎監督)と、相当の励みになったようだ。

作品の完成までにあと2回、監督たちがどう応え、著名人たちがどんなコメントで返すのか…期待感に胸膨らむ。

『STAND BY ME ドラえもん』は2014年8月、全国にて公開予定。
http://www.cinemacafe.net/article/2013/12/30/21078.html

 もう、ドラえもんから卒業する時期が来ているではないか。
 「東京大学物語」等でおなじみの漫画家の江川達也は「ドラえもん』の原作者藤子・F・不二雄が亡くなった後、雑誌やラジオにおいて『ドラえもん』を「人の欲望を際限なく肥大化させる」という趣旨の主張を繰り返し行った。藤子・F・不二雄個人についても、「子供を食い物にするハラ黒い大人だ」と批判している。
 私も今では相手にしていない。要するに日常を単に描いているだけであって、そこにある人の生きる生業がこのアニメにはない。
 現実逃避者としか言いようがないのがこの漫画の本質だ。
 それなら、山花典之さんの「ノエルの気持ち」をアニメ化したほうがいい。
 この漫画は児童養護施設も舞台になっており、そこにいる彼らの繊細な心もきちんと描いている。
 山花さんはクリスチャンなのだが、それを差し引いてもこの作品のクオリティは極めて高い。