2013年10月4日金曜日

心と命というバッテリーは交換できなくても…(1)



新ブログ立ち上げに際して
 日々格闘記 TETSUONOでお馴染みの小野哲です。
 今まで発達障がいに関しまして日々格闘記で書いてきましたが内容が複雑になってきたため独立するかたちで新ブログを立ち上げることにしました。よろしくお願いします。
 発達障がいというのは差別や偏見で苦しい思いを当事者はさせられています。私自身もいじめ被害に遭遇したこともあります。そして生きにくい原因をようやく突き止め、新たな戦いを始めようと決心しました。発達障がいに関してこのブログで取り上げ、解決策を示していこうと思っています。
2012-09-30 17:38:05

再掲載 排除の論理では何も解決できない(追記)
2012年08月03日
排除の論理では何も解決できない(追記)
 今回、取り上げるニュースはとんでもない暴挙である。
 発達障がい当事者である私は断じて許せないと憤慨している。最初に中日新聞より引用し、続けてガシェっと通信より引用する。

発達障害の被告に求刑上回る懲役刑 大阪地裁
(2012年7月31日) 【中日新聞】
姉殺害で20年

 大阪市平野区の自宅で当時46歳の姉を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職A被告(40代前半)の裁判員裁判で、大阪地裁は30日、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を言い渡した。
 判決理由で河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告の犯行に先天的な広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群(言語能力や知的発達に遅れはないとされる。他人の感情や意図を読み取るのが苦手で、自分の興味や関心に固執する傾向があるが、卓越した集中力や記憶力などにより高い能力を発揮することもある)の影響があったと認定。その上で「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役立つ」と量刑理由を説明した。
 保護観察付き執行猶予を求めていた弁護側の主張については「犯行の残虐性や結果の重大性から執行猶予にすべきではない」と退けた。
 判決によると、被告は昨年7月25日昼、生活用品を自宅に届けに来た姉の腹や腕を包丁で何度も刺して殺害した。

 家族が同居を望まないというのなら社会的に整備されてきている施設に居住させ、そこで自立支援を行うべきだ。
 なのにただ刑務所に20年いればいいっていうのか!?馬鹿にするんじゃねぇ!!法律はそんなに単純じゃねぇんだよ!!私はそう思うしかない。

2012年7月31日火曜日

「市民感情」を投影した判決?
 ひきこもりの男性が実姉を殺害したとして殺人罪に問われた事件の大阪地裁の判決について、関連する報道をまとめました。
 まず、殺害された被害者の女性に対し衷心よりお悔やみ申し上げます。
 以下、報道記事を抜粋して引用します。文字強調はすべて引用者によるものです。

■姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」 - 47NEWS(よんななニュース)
 判決理由で河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告の犯行に先天的な広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群の影響があったと認定。その上で「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役立つ」と量刑理由を説明した。

■時事ドットコム:求刑上回る懲役20年=姉殺害「反省ない」−大阪地裁-時事ドットコム
 判決は、動機を姉への逆恨みとした上で「姉は身体的、金銭的に被告に尽くしてきたのに、理不尽に殺害された」と指摘。「被告は十分に反省しておらず、社会復帰後に同様の犯行に及ぶことが心配される」として、求刑より長期間の矯正が必要と判断した。

■発達障害で求刑超え懲役20年判決 「社会秩序の維持に」 - MSN産経ニュース
 河原裁判長は判決理由で「計画的で執(しつ)拗(よう)かつ残酷な犯行。アスペルガー症候群の影響は量刑上、大きく考慮すべきではない」と指摘。その上で「十分な反省がないまま社会に復帰すれば、同様の犯行に及ぶ心配がある。刑務所で内省を深めさせる必要がある」と述べ、殺人罪の有期刑上限が相当とした。

■姉刺殺の被告に求刑上回る懲役20年の判決 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 A被告は同月の逮捕後、大阪地検の精神鑑定で、この障害があると診断された。地検は刑事責任能力に問題はないとして昨年11月に起訴。公判で大東被告は罪を認め、弁護側は、犯行には障害が影響したと主張。保護観察付きの執行猶予判決を求めた。
 判決で河原裁判長は「約30年間、自宅に引きこもっていた被告の自立を促した姉に恨みを募らせた」などと動機を認定。障害の犯行への影響を認めたが、「量刑で大きく考慮することは相当でない」として量刑面の弁護側の主張を退けた。
 一方で、障害に対応できる受け皿が社会に整っていないとの認識を示し、「十分な反省のないまま社会復帰すれば、同様の犯行に及ぶことが心配される」と指摘。量刑判断に社会秩序の維持の観点も重要として「殺人罪の有期懲役刑の上限で処すべきだ」と述べた。

 裁判の経過や判決文を読んでいないため予断は禁物ではありますが、報道内容をまとめると、

1.事件前に医学的な診断や治療は受けておらず、逮捕後に大阪地検による精神鑑定でアスペルガー症候群とされた。
2.弁護側は犯行に同障害が影響したとして保護観察付きの執行猶予判決を求めていた。
3.検察側は責任能力に問題はないとして懲役16年の実刑判決を求刑していた。

 これに対してこの裁判員裁判の下した判決は、検察側の求刑を超える、有期懲役刑の上限である懲役20年の実刑でした。その理由として報じられているのは総合すると以下のとおり。

1.被告のアスペルガー症候群が犯罪に影響はしたが、それを量刑上大きく考慮すべきではない。
2.反省が十分でない。十分な反省のないまま社会復帰した場合の再犯が心配。刑務所で内省を深めさせるべき。
3.出所後の社会的受け皿がないため再犯が心配。
4.社会秩序の維持のためできるだけ長期間刑務所に収容すべき。

 1番目の理由、責任能力を認めて量刑上の考慮も少ないというのは、広汎性発達障害者が犯した、いわゆる「凶悪犯罪」では相場と言っていいのではないかと思います。その是非については今回は置いておくとして問題は2番目から4番目です。
 2番目について、広汎性発達障害を持つ被告が取り調べや裁判の過程などで反省の色が認められないことが、求刑や判決がより厳罰の方向に働くという事例はこれまでもあったと思います。しかし、単に刑務所に長期間収容したとして反省を促すことの効果は期待できないのではないかと思います。このタイプの犯罪者の場合は反省の有無にこだわらずに、再犯を繰り返さないための教育的ないし福祉的な対応が、本人にとっても社会のリスクを下げることにも有効だということが、専門家の間で共有される方向へ向かっているのかなあと個人的には期待していたところでしたが・・・
 3番目と4番目の理由に関して、出所した障害者が社会的な受け皿がないために再犯を繰り返す「累犯障害者」が社会問題化して数年が経ち、累犯障害者を障害者個人の問題よりも社会の問題、福祉の問題と捉えて、福祉・行政・司法などの協力関係が見られるようになってきていると感じていたところでしたが、今回の「社会の受け皿がないために収監期間を長くする」という論理を採用した判決は、こうした方向性に逆行した従来型の福祉の代替としての刑務所を正当化するものであり、なおかつ、異質な人間を社会から排除しようという粗野で差別的な考え方が根底にあるように感じます。
 これが「市民感覚」を反映した公正な裁判員裁判というものの結果なのでしょうか?これまでの様々な経験を生かそうと多くの専門家が地道に積み重ねて得た知識、スキル、スキームや合意形成への努力を、ほとんど理解していない素人が、被告ないしはこの障害への無理解、不安感や恐怖感に基づいて社会から排除しようとした結果が反映されてしまっているように思えてしまいます。
 ではこの判決に関連する報道されている専門家のコメントについて引用します。

■姉殺害:発達障害の被告に求刑超す懲役20年判決…大阪- 毎日jp(毎日新聞)
 発達障害者を支援する団体の全国組織、日本発達障害ネットワークの市川宏伸理事長(67)は「発達障害があるから犯罪を起こすわけではない。アスペルガー症候群の人の多くは、社会生活を営めており、独特な考え方や行動様式を周囲が理解し社会のルールを説明していれば、今回のような事件は起きなかった」と指摘する。
 「発達障害者支援センターなど受け皿施設は整いつつあり、再犯を防ぐことは可能だ。今回の判決のように、障害を理由に社会復帰させないのは、差別と偏見でしかない」と訴えた。
■発達障害で求刑超す判決 大阪地裁「社会秩序のため」 - 中国新聞
 日本発達障害ネットワークの市川宏伸理事長は「アスペルガー症候群の人は反省していないのではなく、言われることが分かっていないだけだ。裁判員の理解がないとこういう結果になりやすく、裁判員制度が始まるときに心配していたことが起こった」と批判した。
 なお、市川宏伸氏は日本の代表的な児童精神科医の一人であり、また自閉症のお子さんの親でもあります。
■発達障害で求刑より重く 大阪地裁、姉殺害で懲役20年の判決 :日本経済新聞
 刑事裁判では精神障害などを理由に刑を軽くする例が多く、重くする判決は異例。判決について、発達障害者らの弁護に取り組む辻川圭乃弁護士(大阪弁護士会)は「障害を理由に刑を重くしている。障害に対する無理解、偏見に基づく判決だ」と批判している。
 判決について、板倉宏日大名誉教授(刑法)は「障害がある場合、量刑が軽くなるケースが大半。法律の専門家からすれば違和感が残る」と指摘した。

一方、産経は両論併記。
■発達障害で求刑超えた判決 「国民感覚に沿った判決」「すぐに再犯に走るわけではない」評価分かれる - MSN産経ニュース
 元最高検検事の土本武司筑波大名誉教授(刑事法)は「責任能力に問題がない以上、刑罰を決めるにあたって最も重要な点は社会秩序の維持だ」と強調。「検察側の求刑が軽すぎた。裁判員の判断の方が常識にかなっている。裁判員裁判を導入した成果といえるだろう」と述べた。
 一方、発達障害に詳しい六甲カウンセリング研究所の井上敏明所長(臨床心理学)は「アスペルガー症候群だからといって、すぐに再犯に走るわけではない。発達障害には家族など周囲の理解が必要だ。単に刑務所に長期収容するだけでは何の解決にもならない」と批判した。
 ちなみに産経にコメントをしている土本武司氏は、ウィキペディアの記述によれば、『検察にかわってスポークスマン的役割を果たしている。産経新聞「正論」など保守系論壇での寄稿が目立つ。また、死刑制度の維持や厳罰化などについても積極的に発言している』人物とのことです。
 当然ながら弁護側は控訴する方針を示してるようですが、どうなるか見守りたいと思います。

<a href="http://bem21st.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html" target="_blank">http://bem21st.blogspot.jp/2012/07/blog-post_31.html</a>

 この判決もどきは完全に国際法違反である。
 すでに触法障がい者らの支援活動にあたる「共生社会を創る愛の基金」(郵便不正事件で無罪が確定した厚生労働省元局長の村木厚子さんの寄付などで設立)は3日、「障害の認識に重大な誤りがある」と厳しく批判した。当然だろう。

<a href="http://www.airinkai.or.jp/ainokikin/index.html" target="_blank">http://www.airinkai.or.jp/ainokikin/index.html</a>

 今回の被告人は小学5年生で不登校となってから、自宅に引きこもる生活を送っていた。その段階で家族は何をしたのだろうか?事件直前に行政が病院への受診を勧めていたものの、実現する前に事件が起きたということから、引きこもりは恥だという考え方が支配的だったのだろう。
 私自身もアスペルガー症候群であるとわかったのはつい最近である。そこから今はどうするかを考えて自分なりに手を打っている。裁判員を務めた関係者、裁判官、検察、さらには被告人の親族全員に私は問いたい、「お前たちは20年後被告人が出所したら私財を全て投じて就業支援や居住支援の全てをするつもりなんだろうな」と。それぐらいの覚悟がないものが人を安易に裁くことは人の人生をさらに狂わせることを意味する。その覚悟がないなら裁判を行う資格など全くない!!
 被告人に適切な判決が下ることを国際法上求める。そして、適切な治療と適切な支援・矯正で被告人を支えることが被害者の姉の望んでいることを思い出して欲しい。

 追記 秋原葉月さんもこのあと、裁判員制度は人民裁判的な厳罰化を加速する(大阪地裁で求刑以上の量刑が出された件)というエントリーで厳しくこの不当な判決を批判しています。
<a href="http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1043.html" target="_blank">http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1043.html</a>
 なおトラックバックでわかりにくいという意見もありましたので近々改善の手を打ちます。申し訳ありません。このブログはネチケットに則り皆さんと共に作っていくスタンスです。 
2012-10-02 09:14:41

人を侮辱する者へ
 私は鉄道ファンでもあるのだが、ある私鉄の掲示板を見てこんな不愉快な書き込みを見た。

茸の歌(腐れかけの茸) by**

友達がいない 中身のあるレスも無い
がきんちょの頭のまま じじいになったからなのか
パパが買ってくれた スマホで今日もスレ荒らし
永遠にニートでも パパの財布に寄生虫
ミク、ブログ、呟きさえ友達いない
立川が都会だと必死の思い込み
タダ乗りが目的でも乗り鉄きどる
岩崎宏美でオナってろ 腐れ果てた茸

かみさんはいない はるか昔に出て行った
永遠のワンパターン 同じ言葉の繰り返し
自閉症、アスペルガー、知障の責苦
ネットでしか威張れない チキンだ当たり前
簡単なアルバイトも 三日でクビだ
ほんとのクズが此処にいる はよう死ねや茸

 これは発達障がい当事者を侮辱するとんでもない代物である。
 アホとしか思えない荒らし投稿者など笑って記事を抹殺するか、IPドメインを強制公開して笑いものにするかのどちらかを選んでもらうしかない。アスペルガー症候群当事者のことを書き込んだ輩はどこまで勉強しているのだろうか。
 発達障がい当事者は苦しみながら日々を過ごしているのだ。それをこんなふざけた戯れ歌で侮辱するとは言語道断であり、やらかしたものこそ真の障害者であるとはっきり言い返したい。
2012-10-04 13:34:05

コメント
青い鳥さん
  小野 哲さん…。新たなブログのご開設を心よりお祝いさせて頂きます。
   この人間の尊厳を著しく蹂躙する罵詈雑言は、見るに堪えません。ただただ悲しいばかりです。言葉の刃が早晩、己れに向かうことを、いずれ痛感するでしょう。
   わたしはあらゆる“障がい”について恥ずかしながら無知ですので、貴ブログで勉強させて頂く所存であると同時に、あらためまして、小野 哲さんのあらゆる面での真摯なる姿勢に対しまして、敬意を表わさせて頂きます。
2012-10-04 19:43:38


コメント回答 パニック障害を考える
 日々格闘記でお世話になっております青い鳥さんからの初コメントに感謝申し上げます。
 この種のヘイトスピーカーには愕然としています。
 この曲のパロディ元が徳永英明さんの『壊れかけのラジオ』なんですね。ヒトラー小泉やポルポト石原、ハシゲを皮肉るのならまだしも許されるのですが、弱者を侮辱するとなれば話になりません。『剣で殺すものは自らも剣で殺されなければならない』(新約聖書ヨハネの黙示録 第13章10節)を用いて以前私は本村某を断罪しましたが、この卑劣なヘイトスピーカーにも同様の言葉の刃が襲いかかるでしょう。
 私自身、今回書くパニック障害に関しましては我が盟友が当事者であるのにも関わらず無知なものでした。お互いに勉強してどう言うような関与がいいのかを考えていきたいと思いますし、私自身も当事者としてどのような方法があるのかを提案していきたいと思っています。


事件後のパニック障害 「傷害」認める判決
(2012年9月29日) 【中日新聞朝刊】
岡山地裁「程度が強く、頻度も多い」

 女性5人に対する強姦(ごうかん)致傷罪や強制わいせつ致傷罪などに問われた名古屋市の塗装工A被告(40代前半)の裁判員裁判の判決で、岡山地裁は28日、被害者1人に「事件後に発症した重篤なパニック障害が、刑法上の傷害に当たる」との判断を示し、強制わいせつ致傷罪の成立を認めた。
 森岡孝介裁判長は判決理由で「被害者の症状は世界保健機関(WHO)などの基準に照らしてもパニック障害と認定でき、程度が強く、頻度も多かった」と述べた。精神的な障害については、最高裁が今年7月、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は傷害に当たると判断している。
 判決は5事件すべてを有罪と認め、2003〜04年の3件を懲役11年、08〜11年の2件を懲役9年6月とし、合計で懲役20年6月を言い渡した。04年に窃盗の有罪が確定しており、刑法の規定で、前後の起訴内容について量刑が分けられた。パニック障害が傷害と判断されたのは03年の強制わいせつ致傷事件。
 判決によると、A被告は03〜11年、岡山県や名古屋市で、女性5人の家に侵入して暴行をしてけがをさせたり、現金などを強奪したりした。

 雑談程度で述べておくが判決に関しては国際法違反なので私は批判的だ。
 この種の輩に効果的なのは接近禁止と居住地域制限、化学去勢手術と懲役10年、死ぬまでカウンセリングを受ける義務で十分だ。20年6ヶ月だけ刑務所にいろというのは被害者にとって意味がない。ただ刑務所においておくだけということだ。それでは被害者にとっては意味がない。被害者の求めていることは罪と向き合い反省し償うことでありただ刑務所にいろというのでは意味はない。
 だが、それとは別でパニック障害に関しては書いておかねばならない。我が盟友がそうなっているからだ。パニック障害が傷害罪であることに対して私は異議を唱えない。

パニック障害(パニックしょうがい、英: panic disorder、PD)は、強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつ。従来、不安神経症と呼ばれていた疾患の一部である(不安神経症の方が広い疾患概念であり、不安神経症と呼ばれていたものの全てがパニック障害には当たらない)。かつては全般性不安障害とともに不安神経症と呼ばれていたが、1980年に米国精神医学会が提出したDSM-IIIで診断分類の1つに認められ、1992年には世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-10)によって独立した病名として登録された。
Wikipediaより引用

1.突然、心臓がドキドキしてきて死ぬのではないかとパニックになる。動悸、心悸亢進、または心拍数の増加。
2.めまいや息切れ感、息苦しさが起こりパニックになる。
3.ご飯を食べる時、息が止まってしまうのではないかと不安になる。
4.電車や飛行機など乗物に乗るのが不安である。
5.不安で外出できない。
6.一人で留守番すると不安になってしまう。死ぬことへの恐怖心。
7.吐き気がし、イライラして落ち着かない。
8.心臓が痛くなり心配になる。胸痛、または胸部不快感、嘔気、または腹部の不快感に襲われる。
9.震えるのが不安である。現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分自身から離れている)、異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)、冷感または熱感。
10.電車や自動車に乗るのがトイレや動悸が不安で恐い。
11.車に乗っていて突然パニック状態になる。コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖。
12.病院で過換気症候群と言われた。発汗が頻繁。
13.人の多いところで動悸、身震い、息苦しさ、めまいが起こる。
14.常に吐き気があり辛い。窒息感、めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じに襲われる。

 『森田療法』なるものもあるそうだが、治療の主流はあくまでも薬物療法である。この症候群はあくまでも病気ではなく、脳機能障害ということであり、私のアスペルガー症候群と同じものである。克服は出来ても完治することはない。だが、ウイルスのように感染するものではない。様々な要因があって起きるものなのだ。
 また、著名人でもこれだけの方々がパニック障害であることを告白している。

著名人の当事者
東方神起のユンホ
タレントのIKKO
サッカー・スペイン代表のヘスス・ナバス選手(セビージャ所属)
女優の田中美里
タレントの安西ひろこ
演歌歌手の大江裕
歌手のブリトニー・スピアーズ
韓国女優のキム・ハヌル
司会者の高島忠夫
タレントの堂本剛(本人がジャニーズ公式携帯サイトで公表)

 また、全国的な自助団体もあわせて紹介する。

<a href="http://www.jpdc.or.jp/" target="_blank">http://www.jpdc.or.jp/</a>
全国パニック障害の会
東京都杉並区久我山3‐17‐19
2012-10-06 10:16:24

再掲載 社会はもっと壁を壊せ、私たちも壊す(追記)
2012年09月24日
社会はもっと壁を壊せ、私たちも壊す
「理解あれば働ける」 発達障害に多くの支え
2012年9月18日 00:16 カテゴリー:社会 九州 > 福岡
 年々増え続ける、対人関係の悩みを抱えた発達障害の大人たち-。九州大100年史編集室で働く小野保和さん(33)=福岡市東区=は大学生のときに発達障害の一つ、アスペルガー症候群と診断された。就職活動でつまずいたが、支援施設に相談し、現在の職を得た。「多くの支えがあったから」。働く喜びを感じている。
 兆候は幼いころから。小さな物音が気になって仕方がなかった。小中学校の授業中は教師の声よりも、隣の教室から漏れる音に意識を奪われた。「変なやつだ」といじめられたこともあった。
 高校を出て中央大に進学した後、就職活動で壁にぶつかった。ある企業の面接。「10年後の自分の姿」を尋ねられ、「分かりません」としか答えられなかった。相手が何を期待しているのかをくみ取るのは苦手だった。約30社の入社試験を受けたが、内定は一つももらえなかった。
 母親の勧めで関東の発達障害者支援センターを訪ね、2004年に病院で「発達障害」の診断を受けた。音に過敏だったり、相手の意図をくみ取れなかったりするのは障害が原因だった。「困ってきた理由が少し分かった気がした」
 北陸地方の大学院を修了し、09年から郷里の佐賀県に近い福岡市で職を探した。同市の支援センターに相談し10年6月、自らの特性を理解してくれる九大100年史編集室に就職が決まった。
 大学の一室で資料のページをめくり、100年史編集に必要な情報をパソコンに打ち込む。作業中は小さい音が気にならないよう耳当てをする。同僚は小野さんに、口頭でなく紙に書いて仕事を頼む。一つの作業をしているときに別の指示が入ると、優先順位が付けられず混乱するからだ。小野さんは思う。「周囲の人が発達障害の特性を理解し、配慮してくれれば働ける」

=2012/09/18付 西日本新聞朝刊=

発達障害 大人も苦悩 相談3年で倍増
2012年9月18日 00:13 カテゴリー:社会 九州 > 福岡
 相手の気持ちを察せずに一方的に話したり、感情のコントロールができなかったりする「発達障害」に悩む成人の相談が急増している。福岡市発達障がい者支援センターに寄せられた19歳以上の相談者数は、2011年度に680人となり、3年前に比べて倍増。全体の6割を占めた。通常は低年齢で発症するが、就職活動や仕事を通じて障害に気付く人が増えており、市社会福祉事業団は今夏、相談から就労まで継続的に個別支援する事業に乗り出した。
 発達障害は衝動的な行動をとる注意欠陥多動性障害(ADHD)や、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害(LD)などの総称。脳機能障害が原因とされる。他人の気持ちを表情や言葉から読み取れなかったり、読み書きが苦手だったり、さまざまな症状がある。
 子どもの障害として理解が広がる一方で、障害に気付かずに失敗を重ねて症状が重くなる「大人の発達障害」が社会問題化。同センターへの19歳以上の相談者数は08年度の290人が、11年度は680人に増えた。
 11年度の19歳以上の内訳は、20代が232人で最多。30代の119人、40代の64人と「働き盛り」世代が続いた。「入社試験に受からない」「人間関係がうまくいかない」など、就職や職場環境に関する相談が多い。
 このため、市立障害者支援施設を複数運営する市社会福祉事業団は8月、相談から就労までの支援を継続的に行うコーディネーター2人を配置。集団活動が苦手な相談者に配慮し、個別対応を原則としている。職場体験などで段階的に仕事に慣れてもらい、就職に結び付ける。現在20代の3人が支援を受けている。
 同センターによると、仕事の悩みを抱えて相談に訪れる発達障害者の多くは、環境の変化が不得手なために、職場体験ができる別の支援施設を世話することがこれまでは難しかったという。同センターの緒方よしみ所長は「信頼関係を築いたコーディネーターとともに成功体験を重ね、自信を回復し、就労意欲を高めることが必要だ」と話している。

=2012/09/18付 西日本新聞朝刊=

 福岡市の動きを今回取り上げる。
 東京都世田谷区でもこのような動きがある。

【東京】
居場所つくり 就労定着促す 成人期発達障害者支援事業
2012年9月8日 東京新聞
 世田谷区は来月から「成人期発達障害者支援事業」を試行する。「せたがや若者サポートステーション(サポステ)」を訪れる相談者の中で、社会性やコミュニケーションに課題があり、自立につまずく若者を抽出。居場所をつくり、就労につなげていく。都精神保健・医療課の担当者は「発達障害者の自立に特化した仕組みは、都内で例がないのでは」と話している。 (小形佳奈)
 国の委託を受け、若者の就労支援を行うせたがやサポステによると、なかなか就職に結び付かない人のほぼ半数に発達障害の傾向が見られる。本人に自覚のないことも多いという。
 支援はまず、自立が難しい原因は発達障害にあると、本人に認めてもらうところから始める。発達障害者団体のメンバーが面談し、当事者同士で悩みを共有する「ピアサポート」という取り組みを通じて自覚を促す。
 次に、区が「居場所」として確保する心身障害者施設で、働く意欲の促進や職業体験、就労定着までを支える。障害者の就労支援に実績のある「トポスの会」(足立区)のジョブコーチが常駐するほか、精神保健福祉士や心理士も定期的に相談に応じる。
 区の療育センターなどに通う発達障害者も事業を利用できる。区は二〇一四年度末までの三カ年で、成人期の発達障害者を支援する手法を確立する。
 <ピアサポート> 同じ課題を持つ仲間(ピア)が対等な立場で支え合うこと。周囲から理解されにくい病気や障害の当事者同士が悩みを聞き、共感することで安心感を得て、課題解決に結び付ける。

 発達障がいのこのような取り組みを今すぐ、日本の地方自治体は参考にして欲しい。
 福岡市や世田谷区を乗り越える取り組みを行って欲しい。政局ごっこなんかやっている場合じゃないのが今の私たちなのである。私たちは見えない壁に遮られ、戸惑っている。だが、その壁は自分たちの手で壊す努力を重ねなければならない。
 私が発達障がい当事者であると告白したのはそうした思い故である。これ以上発達障がいで苦しむ世代は私たち30代だけにして欲しい。社会は偏見という名前の壁を壊して欲しいと強く願っている。

 最後に、チャップリンの独裁者の最後の演説より引用する。

 私は皇帝にはなりたくない。支配はしたくない。できれば援助したい。
 ユダヤ人も黒人も白人も、人類は互いにたすけ合うべきである──他人の幸福を念願として。
 お互いに憎み合ったりしてはならない。
 世界には全人類を養う富がある。
 人生は自由で楽しいはずであるのに、貪欲が人類を毒し、憎悪をもたらし、悲劇と流血を招いた。
 スピードも意思を通じさせず、機械は貧富の差をつくり、知識を得て人類は懐疑的になった。思想だけがあって感情がなく、人間性が失われた。知識より思いやりが必要である。思いやりがないと暴力だけが残る。
 飛行機とラジオは我々を接近させ、人類の良心に呼びかけて世界を一つにする力がある。私の声は全世界に伝わり、失意の人々にも届いている。これらの人々は罪なくして苦しんでいる。
 人々よ、失望してはならない。貪欲はやがて姿を消し、恐怖もやがて消え去り、独裁者は死に絶える。
 大衆は再び権力を取り戻し、自由は決して失われぬ!
 兵士諸君、犠牲になるな!独裁者の犠牲になるな!
 彼らは諸君を欺き、犠牲を強いて家畜のように追い回している!彼らは人間ではない!心も頭も機械に等しい!
 諸君は機械ではない!人間だ!心に愛を抱いている。愛を知らぬ者だけが憎み合うのだ!
 独裁を排し、自由の為に戦え!“神の王国は人間の中にある”すべての人間の中に!諸君の中に!諸君は幸福を生み出す力を持っている。人生は美しく自由であり、すばらしいものだ!諸君の力を民主主義の為に集結しよう!よき世界の為に戦おう!
 青年に希望を与え、老人に保障を与えよう!独裁者も同じ約束をした。だが、彼らは約束を守らない!彼らの野心を満たし、大衆を奴隷にした!
 戦おう、約束を果たす為に!世界に自由をもたらし、国境を取り除き、貪欲と憎悪を追放しよう!良識の為に戦おう!
 文化の進歩が全人類を幸福に導くように、兵士諸君、民主主義の為に団結しよう!

 このセリフはハシゲを厳しく論破し、その取り巻きどもにも痛打となって襲いかかる。

 また、ピアサポートサービスでは判明しているところで以下の場所がやっている。

 <a href="http://jpdd.org/" target="_blank">http://jpdd.org/</a>
 三鷹ピアサポートプレイス
 <a href="http://neccocafe.com/" target="_blank">http://neccocafe.com/</a>
 大人(成人)発達障害のための就労支援施設 Necco(ネッコ)
 <a href="http://piasapo-japan.com/" target="_blank">http://piasapo-japan.com/</a>
 ぴあさぽ!Japan DDAC(NPO法人 発達障害をもつ大人の会)運営
2012-10-07 11:14

再掲載 恐るべき優生思想(追記)
2012年09月18日
恐るべき優生思想

三宅雪子 @miyake_yukiko35
『国民の生活が第一』衆議院議員 ツイッターより

 「サイコテスト」の反響が大きい。私も存在を知ったばかり。こういうものが堂々と商売になってしまうことが残念だし悲しく感じる。合法なのかもしれないが、道義的にはどうかなと思う。このテストで本来は雇われる発達障害や自閉症などの方がはじかれてしまうのがよいのか。火曜以降厚労に状況を聞く。

2012年7月16日 - 0:44 ・
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/224771494847332355

 私はこのTwitterを見て寒気を感じた。
 私自身も発達障がい当事者なので、他人事とは思えないのだ。そこで、この『サイコテスト』なるものの実態を調べた。売り込み文句はこのようになっている。


問題社員対策で悩みたくない企業のための適性検査
 頻発する人間関係トラブル、不可解なコミュニケーション、虚言、度重なる遅刻、無断欠勤、失踪、横領や不正、ストーカー行為、セクハラ、虐待、ヒューマンエラー、コンプライアンス違反他、困った問題行動による不毛なトラブルや不祥事で、「もう手に負えない」となる前の問題社員の対策に、困った問題行動の兆候を事前発見。
適性検査の主な対象業界・対象職種
  家庭教師・学習塾など、幼児や児童を対象とした仕事。
保育士やベビーシッター、高齢者などの体力的な弱者と関わる仕事。
引越し、荷物集配、各種点検、清掃などの個人宅やプライバシーエリアに立ち入る仕事。
高級ホテルなどのVIPへの接客・接遇に携わる仕事。
貴金属などの高額な貴重品や、直接現金を取扱う仕事。
介護・福祉サービスや警備保障サービス等、責任の大きな人的サービス事業者様。
金融サービスや危険物取扱い等、些細なミスがによる万が一の事故被害が深刻な問題に発展しやすい事業者様。
顧客からのクレームやトラブルでお困りの人材派遣会社、人材紹介会社、オンサイト型の業務請負会社様。
トランジションが提供
他にもリスクチェッカー(株マネジメントベース)も同様のサービスを提供

 私はこのことを知って思わず優生学を思い出した。
 問題を起こす社員はどこにでもいる。それを改善すればいいのに排除しようというのでは意味はない。

 人類の遺伝的素質を向上または減退させる社会的要因を研究して、悪性の遺伝的素質を淘汰し改善をはかることを目的とした応用遺伝学の一分野。
 1883年イギリスの遺伝学者 F =ゴールトンが提唱。
 もともと優生学とは,文明化の進んだ社会では自然選択が機能しなくなる恐れがあるから,人為選択の原理を人間社会のなかに導入する必要があるという発想から生まれたものであり,人間の遺伝形質になんらかのかたちで手をくわえようとする試みの全般を指す。
 細かく言えば,よい遺伝形質の増加を目指す「積極的優生」と,悪い遺伝形質の減少を目指す「消極的優生」とに区別される。
 現在の先端医療における遺伝子治療の技術は,消極的優生との関連で,その発想の是非がいまなお議論の的となっている。
 このような優生政策を国政の基本に据えたのがかつてのナチス・ドイツであり,優生思想はヒトラーによってユダヤ人虐殺政策の理論的根拠として利用された。
http://note.masm.jp/%CD%A5%C0%B8%B3%D8/
優生学

 またアメリカでも断種法や移民法などによって優生学が堂々とまかり通った時代があった。
 20世紀半ばまで知的障がい者対象に断種手術が堂々と行われていた過去がある。カナダ・オーストラリア・ノルウェー・フィンランド・デンマーク・エストニア・スイス・アイスランドで政府が知的障がい者であると認定した人々に対して強制断種が行われた。カナダとスウェーデンにおいては、1970年代に至るまで、他の医療行為と同様に精神障がい者に対する強制断種を含む大規模な優生学プログラムが実行され続けた(Wikipedia日本語版より)。
 ナチスの場合、アドルフ・ヒトラーは優生学の信奉者であり、「ドイツ民族、即ちアーリア系を世界で最優秀な民族にするため」に、「支障となるユダヤ人」の絶滅を企てた(民族浄化)以外に、長身・金髪碧眼の結婚適齢期の男女を集め、強制的に結婚させ、「ドイツ民族の品種改良」を試みた。民族衛生の旗の元実施された様々な優生計画を通して純粋ゲルマン民族を維持する試みが行われた。
 1930年代、エルンスト・リューディン(Ernst Rüdin)が優生学的な言説をナチス・ドイツの人種政策に融合させる試みを開始し始めた。ナチスは自らの遺伝理論を検証するために様々な人体実験を行っている。それは単純な身体的特徴の測定から、ヨーゼフ・メンゲレがオトマー・フライヘル・フォン・フェアシューアー(Otmar Freiherr von Verschuer)に対して強制収容所で行わせた双生児への驚愕すべき実験まで広範に渡るものである。1930年代から40年代に掛けて、ナチスドイツは精神的または肉体的に「不適格」と判断された数十万の人々に対して強制断種を行い、強制的安楽死計画によって施設に収容されていた数万の人々を殺害した(T4作戦)。ナチス政権はまた「積極的優生政策」をも実施し、多産のアーリア民族の女性を表彰し、また「レーベンスボルン(生命の泉)計画」によって「人種的に純粋」な独身の女性が親衛隊の士官と結婚し、子供をもうけることを奨励した。
 だがやっていることはアメリカも同じだろう。そうしたことからの教訓を得なければ同じ過ちは繰り返される。だがまだまだ日本は無知なのである。
 こんなものだから雑誌「プレジデント」2012年7月16日号掲載の「編集長から」で雑誌「プレジデント」編集長鈴木勝彦氏のこんな放言が堂々とまかり通るのだろう。厚生労働省が精神障がい者の採用を企業に義務付ける方針を固めたとの報道を取り上げ「『幻覚を見て、何を言っているかわからない』人と一緒にどうやって仕事をするのでしょう」など鈴木氏は放言したが、発達障がい当事者を侮辱するものの言い方で非常に残念、いや悲しい。
 社団法人日本精神保健福祉士協会は雑誌発行元のプレジデント社に抗議した。一応謝罪はあったが私は信用できない。残念だが、あの日本社会党(現社民党)も優生学に凝り固まっていた時期があったほか、シンガポールでも積極的な優生学政策が行われた際に左翼文化人が絶賛した恥ずべき過去がある。こうしたことをきっちり取り上げ批判をしなければ意味はない。

 追記
 発達障がいに関して、様々な書籍があるようだ。
 しかし、大切なのはあくまでも私たち当事者は普通の人間であることを認識願いたい。ただ、脳の発達が遅いだけなのだ。スチーブン・スピルバーグ氏はこう明かしている。今年9月のシネマトゥディより引用する。

09/26 13:46
スピルバーグ、学習障害を告白 診断は5年前…子ども時代は理解がなく、イジメも
 映画『E.T.』『シンドラーのリスト』の監督として知られるスティーヴン・スピルバーグが、学習障害の一つであるディスレクシア(難読症、読字障害)と診断されていることを告白した。過去にスピルバーグはアスペルガー症候群との診断を受けたことを明かしていたが、自身の学習障害について語るのは初めてのことだ。
 スピルバーグは、学習障害を持つ青少年のためのウェブサイトFriends of Quinnのインタビューでディスレクシアであることを告白。だが、その診断結果をスピルバーグが受けたのはわずか5年前のことであり、自身が子どもだった1950年代は現在ほど学習障害についての理解が広まっておらず、そのためにさまざまな苦労をしたと振り返っている。
 実際、スピルバーグは読字障害のため、学校を同級生に比べて2年遅れで卒業。そのことでイジメを受けた過去や、学校が嫌いだったことも告白。そんな生活で救いとなったのが、映画制作だ。「映画を作ることで、わたしは恥ずかしさや罪悪感から解放されました。映画制作は、わたしにとっての『大脱走』だったのです」とスピルバーグは明かしている。
 現在でも本や脚本を読む際は普通の人に比べ、2倍の時間がかかるというスピルバーグ。それでも、映画監督として成功できたのは周囲のサポートがあったからこそ。スピルバーグは同インタビュー中で、学習障害を抱える子どもたちに対して、「学習障害は、思っているよりもずっと一般的なものです。自分一人だけが悩んでいるものではありません。それでも、学習障害があることで、今後やりたいことをやるためには、さまざまな困難が降りかかるでしょう。でも、それはあなたの可能性を狭めるものではないのです」とメッセージを送っている。(編集部・福田麗)
2012-10-07 23:23

再掲載 非科学的な思想が発達障がい当事者を苦しめる(追記)
2012年09月19日
非科学的な思想が発達障がい当事者を苦しめる
【社会】

「ワクチンと自閉症」関連せず 名大院確認
2012年9月16日 10時43分
 名古屋大大学院医学系研究科の尾崎紀夫教授(精神医学)らのチームは、幼児期のワクチン接種は自閉症の発症と関係ないことを、日本人の症例データを基に初めて確認した。「ワクチンを打つと自閉症になる恐れがある」という説を科学的に否定。尾崎教授は「誤った情報が今も多くあふれているが、ワクチンを打たないデメリットは大きい」と指摘している。
 16日、名古屋市昭和区の名古屋大病院で開かれる日本神経科学大会のサテライトシンポジウムで報告する。
 ワクチンと自閉症をめぐっては1998年、英国の研究チームが、はしか、おたふくかぜ、風疹を予防する三種混合ワクチンと自閉症発症に関連があるという論文を発表。2010年には研究方法に問題があったなどとして論文は撤回されたが、その後も自閉症とワクチンや、ワクチン防腐剤の水銀化合物との関係を指摘する論文が出ており、ワクチン接種を避ける家庭も少なくない。
 尾崎教授らは、国内で三種混合ワクチンを接種していた84年4月~92年4月に生まれ、母子手帳が保管されている人を対象に調査。自閉症やアスペルガー、広汎性発達障害と診断された小学生から高校生までの189人と、それ以外の同年代の224人を比べた。
 三種混合だけでなく日本脳炎やポリオなど、幼児期のワクチン接種歴を調べて比較。自閉症患者とそれ以外の人の間では、三種混合やその他のワクチンの接種数に統計学的な差はなく、ワクチン接種や防腐剤が自閉症の発症率を高める科学的な根拠はないと結論づけた。
 自閉症とワクチンとの関係を否定する論文は欧米の患者データを基に発表されていたが、国内で自閉症患者とそれ以外の人を比較したデータはなかった。尾崎教授は「ワクチン接種を不安に思う保護者に、科学的な調査結果を示せた意義は大きい」と話す。
(中日新聞)

 今回はこの記事に加えて『不登校・ひきこもりの専門紙』Fonteより引用する。

http://www.futoko.org/special/special-49/page0917-2649.html
朝日&不登校新聞の「不登校・いじめと精神医療」
(12-09-17)
直前に迫った「朝日新聞&不登校新聞社がつくる『不登校セミナー』~不登校生・高校中退のための学校相談会」(9月23日・秋葉原UDX)で登場する講師陣をWEB特集では紹介しています。インタビュー記事は「不登校・いじめと精神医療」に登場する精神科医・高岡健さん。セミナーの詳細はこちら(http://www.futoko.org/wordpress/wp-content/uploads/2012/09/futoukou_han5d.pdf)。申込みは朝日新聞デジタル「e-post」へ

不安で学校にしがみつく?
 バブル期は学校教育にはなじまなかったですから、この思想は小さな割合しかない。新自由主義については、学校と親とのあいだでギャップがあるでしょうね。あるいは、公立校と一部のエリート私立校のあいだでギャップがある。たとえば「公立なんてダメ」という風潮なんかは、新自由主義的です。ですから、事実上、学校には高度成長期と新自由主義のふたつの思想が残っていると言えます。
 これは不登校にも通じることでしょうね。一時期、不登校のために診察室に来る人は少なくなっていたんです。診察に来られても、むしろ確認のために来ている感じでした。冗談で「このごろの親御さんは、学校に行かないぐらいでオロオロしなくなりましたね」と言っていたほどです。ところが、古い高度成長期の考えにしがみついているようなケースが、また増えてきました。本気で信じているのか、信じてないのに、ほかに信じられるものがないからしがみついているだけなのかはわかりませんが、不安が増していることはたしかでしょう。
 少し前には「学校なんか、むしろ行かないほうが人生は豊かになる」という言説が説得力を持っていましたが、不況が拡大してきて「せめて学校ぐらいは」となってしまっている。自己責任論が影響を与えているんだと思います。
 子どものほうは、学校の先に希望はないことを、ある程度わかっている。親も薄々はわかっている。でも、どちらも見ないようにしているんです。

――特別支援学校については、どのように?
 特別支援学校の欠点は、教える側が定型発達者であることです。ティーチングスタッフに発達障害者を入れるべきです。それで、ずいぶん変わるでしょう。予算は、たいしていらないはずです。彼らはいちばん発達障害の特徴をわかっているわけですから、それに合わせた教育ができる。
 いまは、定型発達者から見た必要性を指導していますから、効果は半分しかない。別の言い方をすれば、残りの半分は苦しみが残っている。定型発達者の要求に応えられない自分をネガティブに捉えてしまいます。

障害者側からのインクルージョン
――特別支援教育によって、学校現場で変わった子さがしが強まっていると聞きましたが?
 それはあるでしょうね。ただ、一方で、高度成長期のような集団主義の学校に、発達障害の子どもを合わせることに意味があるのか、とも思います。たんに排除されやすいから排除しないようにというだけではなく、障害者の側の視点を導入して議論しないといけない。たとえば、インクルージョンというと、定型発達者の集団のなかに障害者をインクルージョンすると発想しがちですが、逆に、障害を持っている人たちが、持っていない人をインクルージョンしていくと考える。そういう発想が半分はないといけない。

――プラス面は?
 これまでは、発達障害者がいじめの対象になってきた面があります。教師からいじめられることもあった。しかし、発達障害の概念が広まることで、別の角度から見直し、いじめの対象として扱う前に、避難させやすくなった。それから勉強に関して言うと、自分の実力よりも低い達成度しかなかった人に対して、自分の実力に見合った達成度を感じることが、一部においては、できるようになった。また、親が自分の子どもをみるとき、ダメな子どもとして、叱責の対象だったのが、少しずつ変わってきた面がある。エジソンとかアインシュタインを引き合いに出すのはどうかと思いますが、いい傾向として認めていい部分もあります。
 いずれにしても、自己価値を下げないようにするということが大事だと言えます。

――発達障害は労働問題としても、大きな問題になってますね?
 生産労働の面で、当事者が一番困っていることは何かといえば、コミュニケーション至上主義です。これにずいぶん縛られている。
 しかし、コミュニケーションはあくまで双方向のものです。表出面と受容面ですね。
 障害を持っている人の困難さには、うまく伝えられないという表出の面と、うまく理解できないという受容の面がある。それから、まわりの人が自分をうまく理解してくれないという面と、自分が相手をうまく理解できないという面がある。発達障害者には、それぞれの面で苦労があるわけですが、どの面で苦労しているかには、個人差があります。
 この困難さに対して、どう対処していくかと考えるとき、一番の根本はカミングアウトすることです。ディスクロージャー(=開示)と言ったりもしますが、自分の障害を上司や同僚に伝えることができるか。診断名だけではなく、コミュニケーション上の特徴をうまく説明できるかどうか。実際、悩み抜いたすえ、ディスクロージャーに踏み切っている人もいます。まず身近の同僚や上司の2~3人から始め、段階的に理解者を増やしていく。そのとき、職場の側も問われるわけです。ある程度ゆとりがないと、そういうことはできない。
 もちろん、うまくいくとはかぎりませんが、たとえば公的な職場や知的な職場だったら、むしろ言うことでプラスになります。精神保健福祉手帳や療育手帳を取得すると、かえって解雇しにくくなったりもする。
 ただ、いまは派遣労働や有期雇用が多いですから、それは大変です。職場が変わるたびにディスクロージャーしないといけない。それから多くの職場では、健常者と同じような仕事をすることが評価される。それが苦しいわけです。

――広く世間一般の理解が必要ですね?
 たとえば性同一性障害については、いま、意外と受けいれられやすくなっているんですね。これと同じかどうかは別にして、発達障害についても、受けいれられる素地はできつつあります。ただ、わかりやすさで言えば、性同一性障害のほうが理解されやすいでしょうね。発達障害の場合、一見、わかりにくいことがネックです。

求められる雇用形態は?
――根本は、社会構造自体の問題ですね?
 そうですね。これを労働とか企業の問題として立てる場合、私は勝手な思考実験をしているんです。
 まず、働き方を3分の1ずつに分けてみる。

・日本型雇用モデル
 年功序列、終身雇用、企業内組合というタイプですね。これも3分の1は残ってほしいし、残りうると思います。大量生産型ですから、発達障害者も、もともと適応できていたモデルです。大企業に義務づけられている1・8%の障害者雇用枠を活用して定着できる人も、なかにはいるでしょう。

・NPOモデル
 NPOや協同組合は、少ない収益を平等に分けるという企業観、労働観ですね。いま、こういうところで働いている人は増えていて、ぜんぶあわせると電機労連の数に匹敵するそうです。これがもっと増えて、全体の3分の1ぐらいになってほしい。
 この場合、発達障害者の最適な仕事のひとつとして、当事者の相談に乗る仕事があると思います。実際、イギリスでは、かなりあるようです。1%の市場がありますから、そこで働ける人はいるはずです。もちろん、ほかのNPOでも定着しうる。

・ワークシェアモデル
 ワークシェアリングといっても、いま経団連が言っているような便宜的なものではなく、週休3日半という積極的なワークシェアリングです。そうなると、人類史上はじめて、生産が消費を下回っていくことになります。発達障害者には高度な趣味を持っている人も多いですから、そこで社会参加することは十分考えられます。

 この3つがそろいぶみすることで、これまでの古い価値観が消えていくんだと思います。もちろん過渡的なものではありますが。

――おカネになる能力ばかりが評価されるという苦しさもあると思いますが?
 人間でも言語でも、意味と価値があるわけですが、いまの社会では、意味ばかりが評価され、意味が交換されて商品価値が生まれるわけです。しかし、商品価値と存在価値は別のものです。根本を言えば、商品価値と存在価値が混同されていることが問題だと言えるでしょうね。

――可能性はあると?
 私は発達障害者というのは、人間の原点に近い存在だと考えています。定型発達者というのは、むしろ原点から遠ざかることではないか、と。豊かな社会を考えるとき、人間の原点に近い人が、原点から遠い人をいかにインクルージョンしていくかという発想が必要です。
 このとき、キイワードになるのは「文化」でしょう。モノの生産と消費に対して、文化の生産と消費をどれだけできるか。文化のレベルは、人間の原点に近い人がどれほど関与してくるかによって決まってくるわけです。そうなると、この時代も捨てたものじゃないなと思います。
――ありがとうございました。(聞き手・山下耕平)

※2009年4月1日-15日 Fonte263-264号掲載

 発達障がいというのは最近研究が進んでいる。
 それゆえに偏見に苦しむのも当然なのかもしれないが、非科学的な偏見は私たちの世代でやめてほしい。

追記
 ヤフーに掲載された記事を引用したい。
 この記事は発達障がいへの接し方に社会が戸惑っていることの証に過ぎない。

「発達障害」の書籍が急増中 その理由は?
ダ・ヴィンチ 2012年8月19日(日)7時20分配信

 「彼はいつも落ち着きがないけど、ADHDなんじゃないの?」「あの人のこだわりの強さは、アスペルガーっぽいよね」。――近ごろ、こんな会話が日常で交わされるのもめずらしくなくなってきた。ADHD(注意欠陥・多動性障害)もアスペルガー症候群も、広汎性発達障害と呼ばれ、ここ十数年のあいだに広く認知されるようになったもの。この発達障害に関する本が、子ども向けのものから大人向け、さらにはマンガまでと、いま急増しているのだ。
 最近では、2012年「科学ジャーナリスト大賞」を受賞した新聞連載をまとめた『ルポ・発達障害:あなたの隣に』(下野新聞編集局 取材班/下野新聞社)や、同じく新書の『発達障害と呼ばないで』(岡田尊司/幻冬舎)などが刊行されたばかり。また、『発達障害の子どもたち』(杉山登志郎/講談社)は18万部のロングセラーとなり、昨年にはその続編『発達障害のいま』(杉山登志郎/講談社)が発売。はじめて発達障害に触れる人に読みやすい構成になっているものも多く、『もしかして私、大人の発達障害かもしれない!?』(田中康雄/すばる舎)や『アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得』(ルディ・シモン/スペクトラム出版社)など、ケース別にさまざまな本がある。マンガでは、体験を基に描かれたコミックエッセイ『旦那(アキラ)さんはアスペルガー』(野波ツナ/コスミック出版)や、発達障害を抱えた専業主夫による育児奮闘記『プロチチ』(逢坂みえこ/講談社)はネット上でも話題になっている。しかし、どうしてここまで発達障害を扱った本が増えているのだろうか。
 実は、ここ数年、発達障害と診断される人の数も急増しているのだという。『発達障害と呼ばないで』によると、ADHDの児童の有病率は日本で6パーセント、アメリカでは10パーセントに近くにのぼる。アスペルガー症候群も含まれる自閉症スペクトラムにいたっては、30年ほど前は1万人に数人の割合だったのが、2000年ごろには1000人に当たり7~8人に。さらに最近では、100人に1.4人という調査結果もあるようで、「発達障害は、とどまる所を知らない勢いで増加し続けている」と書かれている。
 しかし、発達障害に関する本を見ていると、目をつくのが過敏になりすぎている大人たちの対応だ。たとえば、『発達障害の子どもを理解する』(小西行郎/集英社)では、病院や保健所の乳幼児検診などで「泣いてばかりで言うことを聞かない」「人と目を合わせない」といったささいな行動を発達障害の「症状」と結びつけるケースを紹介している。さらに、『発達障害という記号』(編集:松本 雅彦、高岡 健/批評社)では、「KY」が流行語になったことと、発達障害への関心が強くなったことの関連性についても考察。「KY」を“集団に従えという指令”と読み解き、「自分たちの健康や安全への侵入を妄想的にまで怖れ、過剰に「迷惑」を排除するようになった」と書いている。発達障害の本が増加している背景には、過剰な診断や、大人たちが敏感になりすぎている心情が映し出されているのかもしれない。
 適切な対応を知る手がかりとして、また、正しい知識を身に付けるきっかけとして。この機会に、本を通して発達障害について触れてみてはいかがだろうか。
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

 発達障がいを必要以上に恐れないで欲しい。
 見方次第で変わり得る可能性を秘めている。スチーブン・スピルバーグ氏を見て欲しい。
2012-10-08 17:56

再掲載 あなたが悪いわけじゃない(追記)
2012年09月16日
あなたが悪いわけじゃない
2007年4月11日(水)「しんぶん赤旗」
発達障害者への手帳交付 どう考える?

 〈問い〉 現行の福祉手帳は、身体・知的・精神の三つの障害区分によって、それぞれ交付されています。この従来の手帳に加えて、「発達」という新たな障害区分を設けて、手帳を交付すべきだという根強いニーズが高まっています。2005年には、発達障害者支援基本法が施行されました。これに関しては貴党はどのような政策で臨んでおられるのでしょうか?(東京・一読者)

 〈答え〉 発達障害者支援法(05年4月1日施行)は、関係団体の長年の運動がみのり、日本共産党をふくむ超党派の議員立法として成立しました。
 発達障害とは、学習障害、注意欠陥多動性障害、広汎(こうはん)性発達障害、その他これに類する脳機能の障害のことです。広汎性発達障害とは、(1)社会性の障害(2)コミュニケーションの障害(3)想像力の障害とそれに基づく行動の障害―という三つの特徴をもつ障害です。三つの障害が明らかなときは自閉性障害、言葉の遅れがない場合はアスペルガー症候群、特徴が一部もしくは軽度な場合は特定不能の広汎性発達障害とされています。
 これらの発達障害をもっているのは児童人口の5%ないし、それ以上と推定され、発生頻度が高い障害ですが、これまでは、知的障害を伴わない場合には福祉施策を受けられない「谷間の障害者」とされていました。
 同法はこれまで支援の対象とならなかった発達障害者に対する、国・地方自治体の支援の責務をうたい、都道府県ごとに発達支援センターを設置する、乳幼児期や就学時の健康診断での早期発見や早期発達支援をすすめる、専門的な医療機関を確保する―などがもりこまれており、日本共産党も賛成しました。
 今後、必要に応じて見直し、発展させていくことが大切であり、法案の議論の中でも、そのことが確認されています。
 地方議会でも、共産党は発達障害についてさまざまな角度からとりあげています。先日も、秋田県議会で発達支援センター設置を約束させ、各地で特別支援教育の職員配置の増員を求めるなどしてきています。
 現在、日本では、障害の種別や状態を確認し、必要なサービスを利用しやすくするために、障害者(児)手帳の交付が一般的になっていることから、「発達障害者(児)手帳」の導入は当然だと思います。
 手帳は、日本自閉症協会などの団体も要望しています。支援法ができても、まだなお、三障害(知的障害・身体障害・精神障害)よりも支援がおくれていることから、手帳の交付で支援の対象者であることを明確にさせ、実効ある福祉サービスを利用できるようにすることは必要だと考えます。特に、乳幼児期の親たちの不安と負担は相当なものであることから、手帳の交付で支援を明確にすることも大切だと思います。(秋)

 〔2007・4・11(水)〕
*この記事では発達障害として表記されており「害」では不快感を及ぼす印象がありますがその当時の記事のままで引用します。原則としては『発達障がい』として表記していますのでご了解ください。

 ハシゲ極右体制が今年5月にやらかした犯罪をもう一度思い出してもらいたい。
 いずれもしんぶん赤旗より引用する。

2012年5月6日(日)
大阪市 維新が「家庭教育条例案」
特異な子育て思想押しつけ

 「大阪維新の会」大阪市議団が市議会に提出するために検討している「家庭教育支援条例案」(原案)の全容が明らかになりました。条例案は、「伝統的子育てによって発達障がいは予防できる」などと科学的根拠もなしに、特異な子育て思想をおしつけるものとなっています。
 条例案は前文で「児童虐待の背景」にある根本的問題として「親心の喪失」を強調。改悪教育基本法の「家庭教育の独立規定(第10条)」を根拠に明記し、第1条(目的)では、「保育、家庭教育の観点から、発達障がい、虐待等の予防・防止に向けた施策を定める」などとしています。
 具体的には、「発達障がい、虐待等の予防・防止」(第4章)で、「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因である」などと主張。「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」などとしています。
 また、「家庭教育支援」と称して、特定の思想に基づく「親の学び」をおしつけていることが特徴で、保護者対象の「家庭用道徳副読本」を高校生以下の子どものいる全家庭に配布するほか、「一日保育士体験、一日幼稚園教諭体験」を義務化。市長直轄の「家庭教育推進本部」を設置し、「家庭教育推進計画」を策定することなどを盛り込んでいます。
 「支援体制の整備」(第5章)では「親になるための学びを支援、指導する『親学アドバイザー』など、民間有資格者等の育成を支援」と記しています。
 「維新」市議団は、この「親学」について、「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長も務めたことがある高橋史朗「日本教育再生機構」理事・明星大教授らが提唱してきたものだと認めています。

解説
政治介入家庭教育にまで 背景に侵略戦争美化勢力
 「大阪維新の会」大阪市議団による家庭教育支援条例案は、教育への政治の介入を、家庭教育にまで広げるものです。
 しかも、発達障がいを「伝統的子育てで予防できる」などと非科学的な主張を掲げ、発達障がいなどの問題を「親の責任」とする点でも重大な内容となっています。
 条例案の内容が一部報道(1日)されて以来、ネット上では「義務や強制で親がマトモになる…雑すぎやしませんか」「『発達障がい』を親の責任としている」「それが親を追い詰めてんだよ」などといった批判が噴出しています。
 条例案の背景には、高橋史朗「日本教育再生機構」理事の考え方があります。同氏は、侵略戦争を美化する教育右傾化の中心的推進者の一人で、「自分以外の何かに責任を転嫁せず、まずは親自身が自覚することが基本」「増やすべきは保育所ではなく『親学』を学ぶ場」などとする特異な子育て論を展開してきました。
 ネット上での批判を受けて、「維新」代表の橋下徹自称大阪市長も「発達障がいの主因を親の愛情欠如と据えるのは科学的ではない」(3日のツイート)と認め、「僕の考えを市議団長に伝えた」ことを明らかにしました。
 その一方で橋下は、市議団の市政方針について「僕には決定権はありません」などと責任逃れをはかっています。(藤原直)

2012年5月8日(火)
「家庭教育条例案」を撤回
大阪市 「維新」市議団総会で決定

 橋下徹自称大阪市長率いる「維新の会」大阪市議団は7日、特異な子育て思想を押しつける「家庭教育支援条例案」の市議会提出を断念し、白紙撤回すると総会で決めました。
 条例案は、児童虐待の背景に「親心の喪失と親の保護能力の衰退という根本問題がある」(前文)として、「わが国の伝統的子育てによって発達障がいは予防、防止できる」と非科学的な主張を押しつけています。
 条例案には、発達障がいがある子どもの保護者でつくる市民団体や市民らが反発し、条例案提出の中止を強く要望していました。
 総会後、美延映夫市議団幹事長は「まったくの白紙に戻して考える。(市民団体などからの)意見を大事にしなければならない」と弁明しました。

今後も上からの押しつけを警戒
 「維新」市議団に声明文を提出した「発言する保護者ネットワークfrom(フロム)大阪」の大前ちなみ代表の話 きょう出した声明文で、「伝統的子育て法」の強制や「親心」「結婚の意義」などを政治家や行政機関が決めた通りに教育する動きに強く危惧すると訴えました。白紙撤回しても教育を上から押しつける同じ動きがでてきます。障がい者団体と連携して、今後も注意して見ていきたい。

 ハシゲは発達障がい者に謝罪したとしているがその姿勢は口先だけで信用に値しない。
 そもそも、『大阪維新の会』代表としてこの条例もどきを出すことを容認した段階で大きな責任が有り、きちんと謝罪すべきなのにしていない。発達障がいの子どもを持つ「大阪自閉症協会」など13団体の代表らが『維新』市議団を訪問し、「発達障がいに対する偏見を増幅しかねない」「条例案を中止していただきたい」と抗議し市議団の美延映夫(みのべ・てるお)幹事長は「ご心労をおかけした。ぜひ一緒に勉強会をさせていただきたい」と陳謝したが、条文については「ある県で議論された案を参考として議員に配っただけで、我々の案ではない」などと言い逃れたため面会後に市役所で記者会見した「全国LD(学習障がい)親の会」の内藤孝子理事長は「なぜ議会からこんなものが出てくるのか理解できない」とあきれた。高槻市障がい児者団体連絡協議会の堀切公代事務局次長も「私たちが望んでいるのは障がいのある子を支える社会資源やシステムの充実。親を責めたり追い詰める発想はやめてほしい」と訴えた。
 彼らが納得する謝罪がないのだからその段階でアウトである。私が代表なら率直に彼らの前で土下座してでも謝罪し、『私は発達障がいを知らなかった。大いに恥ずかしい。あなたがたからどういう実態なのかを学びたい。そのうえで何ができるのかを提案いただきたい』と申し出る。ハシゲはその時まさか不倫の後始末でもしていたから、そこまで頭が回らなかったとでも言うのか。
 その程度じゃ話にならない。
 なお、発達障がい当事者に発達障がい当事者から呼びかけたい。
 あなたがたが悪いわけじゃない。発達障がいは原因が特定できていないが、その特性をプラスに伸ばす未来だってあるのだ。決してあきらめる必要なんてない。私だって発達障がいと知ってからどうやればこの迷宮を少しでも優しくできるかを考えて行動してきた。
 光市の母子暴行致死事件でも被告人が発達障がい当事者であることは明らかになった。もし、彼を真の意味で理解している人がいたらと思うと残念で仕方がない。それでも、罪は罪で死ぬまでその罪と向き合う責務はある(死刑は国際法違反なので許されないが、終身懲役刑なら許される)。犯罪に走る人もいれば、そうじゃない人もいる。発達障がいだからこそ、見せられる可能性だってある。
 スティーブン・スピルバーグ監督はアスペルガー症候群であることを自ら公表している。またあの黒柳徹子氏も計算障がい、読書障がいであることを告白している。水泳のマイケル・フェルプス選手も注意欠陥/多動性障がい(ADHD)と診断されている。翻訳家のニキ・リンコ氏もアスペルガー症候群と診断されている。
 障がいを嘆くのではなく、その特性を伸ばす反面で欠点を最小限にする努力を重ねていく。それでいいと私は思っている。

http://hosiakari.blog34.fc2.com/blog-entry-1111.html
遡及適用から置いて行かれた‥‥ デルタ氏運営ブログ『ほしあかりをさがせ』より
http://blog.livedoor.jp/terazuhurido/
PTSDになったアスペルガーの人の話(ヒイロ・ユイ氏運営ブログ)

 私たちの障がいはどんなに金を積んでも治せない。だけど、改善はできる。

追記
 大阪府に発達障がい当時者支援センター『アクトおおさか』がある。
 社会福祉法人が運営しているから幸いにも潰されることはないのだろうが、これが公の期間なら縮小されていた可能性が高い。
 また、国立障害者リハビリテーションセンターの一機関として発達障害情報・支援センターが最近できた。
<a href="http://www.rehab.go.jp/ddis/" target="_blank">http://www.rehab.go.jp/ddis/</a>
 関心を持たれている方は是非ともサイトを訪問願いたい。
2012-10-09 09:31

再掲載 一律に形にはめ付けると反発される(追記)
2012年09月10日
一律に形にはめ付けると反発される

 発達障がいに対する待遇は少しずつ改善されている。
 その当事者である私はホッとしているが、2ちゃんねるは相変わらずヘイトコメントの巣窟である。これを見てもらいたい。

・うつ病
→ドタキャン、早退、なんでもござれ。日によって出勤したりしなかったり。よって、重要な仕事は任せられない。
かといって、注意すると(「怒鳴る」はおろか、「怒る」「叱る」「咎める」ですらない、単なる「注意」だ)うつが悪化して自殺されかねないので、扱いにくい。
「責任の低い、簡単な仕事」を与えればいいかもしれないが、そしたら「私って必要とされてないのか」とか落ち込んでうつを悪化させてしまう恐れがある。

・双極性障害(躁鬱病)
→躁状態はその攻撃性の激しさから、社内秩序を乱し、取引先や、サービス業なら客に失礼な行為をして、企業イメージを落とす

・統合失調症
→わけのわからない妄想で、時には人を殺しさえする、もっとも危険な精神病。その上、日本語が通じず、知的障害者以下の言語能力。

・発達障害アスペルガー
→型にはまれば強いのは認めるが、型にはめるまでのコストがかかるし、そもそも型にはまらない確率の方がはるかに高い、そんな博打は嫌だ。
常識では想像できない行為をして、取引先や、サービス業なら客に失礼な態度をとり、スピードも遅いし同じミスを繰り返すし、企業イメージを落とす。
配慮をした言い回し日本語なら通じるが、一般的な言い方では通じないのと、あまりに杓子定規・四角四面過ぎて、企業としては使いづらい。

結論
こいつらは生活保護や年金をあげてもいいから、社会に出るべきではない。
確かに人間には誰しも働く権利はあるが、精神障害者を「人間」と見なせるのかどうかという問題がある。
精神障害者に労働させるために配慮するコストが、精神障害者が生む生産性を上回るのは、滑稽な話。
どうしても精神障害者に「働く権利」を与えたいなら、自治体や国など、公務員として雇え。民間には無理だ。民業圧迫。


 私はこうしたヘイトコメントを許せない。
 まず、書き込んでいる連中の大半は社会という風に全くあたっていないか少ないのだろうと思われる。社会の風を知らないものが社会に溶け込もうと努力している障がい者を侮辱するとは以ての外だ。障がい者たちは日本国憲法に定められている国民の三大義務、「普通教育を受けさせる義務」・「勤労の義務」・「納税の義務」を果たしているがおのれらはその義務を果たしていると胸を張って言えるのだろうか。
 果たしたと思わないのなら言うべきではない。

http://www.npo1095.jp/cartoon/index.html
http://www.geocities.jp/yanbaru5555/selfDiag2.htm

 自閉症スペクトラムや発達障がいをもつ人にとって、苦手なことを仕事にすると、疲労とストレスで精神的にも肉体的にも致命的なダメージを受けてしまう。しかも、それに気がつかないまま精神的に追い込まれてしまうともっと悲惨だ。無理解者は「ふつう」という枠に無理にはめようとし、嫌なことを無理矢理させ、嫌な環境で我慢をさせたりする。
 さらに許されないのはそうしたことを傍観する傍観者どもの存在だ。私は自分の障がいをひとつの個性としか思わない。乙武洋匡氏のようなものだと思っている。でも、その特徴ゆえにできることだってある。それを積み重ねていけばいいのではないかと今は思っている。

 地方百貨店を考えるシリーズにしても、今考えてみると発達障がいゆえの執着心だったのかもしれないと私は思っている。
 だが、その執着心が地方百貨店の文化を一つ一つ取り上げることができたというのならいい。
2012-10-09 11:02:44

コメント
青い鳥さん
>結論
こいつらは生活保護や年金をあげてもいいから、社会に出るべきではない。
確かに人間には誰しも働く権利はあるが、精神障害者を「人間」と見なせるのかどうかという問題がある。
精神障害者に労働させるために配慮するコストが、精神障害者が生む生産性を上回るのは、滑稽な話。 どうしても精神障害者に「働く権利」を与えたいなら、自治体や国など、公務員として雇え。民間には無理だ。民業圧迫。


   このとんでもないヘイトコメントは、無知蒙昧の産物としかいいようがない。 障がいを持つ方々が、“権利の主体”という共生思想が著しく欠落している。こんな非科学的・非人間的な考えが蔓延している日本は、とてもではないが、恥ずかしくて先進国などとは言えるものではない。 ポル・ポト石原が以前、障がい者福祉施設を訪問後、ここに記すのも憚れる障がい者差別の犯罪的暴言を言い放ったことを、わたしの記憶に刻まれ不快な気持ちを抱いて生きているが、石原やハシゲの様な非人間的差別主義者、新自由・市場原理主義を礼讚する輩に万雷の拍手喝采を浴びせる様な民度を見るにつけ、障がいを持つ方々が真の幸福を奪取するべくには壁が余りにも高過ぎるとあんたんたる気分に苛まれる。 経済は何のためにあるのか?、労働は何のためにあるのか?、、、基本中の基本を深く考えないと日本に未来はないと断言したい。
  やはり、人権教育や福祉教育を幼少期から教育課程に組み込まないことには、日本における“障がい者福祉”や共生思想の醸成は、とてもではないが、おぼつかない。  北欧諸国にみる、福祉のモデルを勉強すべきでしょう。
2012-10-09 20:56:23

コメント回答・心の障がいを超える一歩
 「真実は苦い」さんへ。
 あなたのコメント承認ですが、事実確認を行った上で行いますのでご了解ください。その上でコメント回答とさせていただきます。2ちゃんねるをニュースソースとするのは慎重にしたいと私は思っています。その点をご了解ください。

 我が盟友が奇しくもパニック障害当事者になったため、私も今はパニック障害に関していろいろと調べることになった。
 過労や夫婦間のトラブルなどで、強いストレスがかかると、さまざまな発作が生じるのがパニック障害で主な症状は、強い動悸や発汗、震え、窒息感、胸痛、冷感、吐き気など。このうち4つ以上が突然表れ、10分以内に頂点に達すれば該当するとのことだ。治療には、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることが多いが、呼吸数を減らすトレーニングや、手足の筋肉の緊張をほぐすストレッチなどもあるそうだ。
 私はアスペルガー症候群当事者であるが、改善に関して諦める気持ちは全くない。転職活動では自分の障がいをオープンにすると決心したのもそうした思いがあるからだ。すぐには決まらないとも覚悟は出来ていた。東京新聞より以下の記事を引用する。中日新聞社や西日本新聞社には感謝している。

【暮らし】
障害者差別禁止法案 「合理的配慮」広く求める
2012年10月11日

 障害を理由にした差別の解消を目指し、政府が来年、通常国会に提出する予定の「障害者差別禁止法」案。法案の参考にする内閣府担当部会の提言が九月にまとまった。提言は「障害に応じた合理的配慮をしないこと」などを差別と定義。同法は差別の「物差し」になり、差別の解消や差別による損害の回復を求める法的根拠となる。 (佐橋大)
 重度障害者の積極的な社会参加に努める名古屋市昭和区の社会福祉法人「AJU自立の家」。精神障害者が使う施設の建設を計画したが、住民の反対で何度も断念してきた。山田昭義常務理事は「まだ差別は根強くある。精神障害への誤解や偏見、それに基づく不当な扱いが、障害者の社会生活を阻んでいる」と指摘する。
 大阪府のNPO法人、大阪精神医療人権センターによると、府内でも二年前、精神障害者のグループホーム建設に地元自治会が反対し、入居者のカルテの公開などの条件を出してきた。また同年、全国で賃貸アパートの管理などをする会社が、退去条項に「精神障害者」を掲げていることが分かり、会社が障害者団体に謝罪する事態も起きた。
 憲法は「法の下の平等」を定め、障害者基本法は、障害を理由にした差別を禁止している。ただし、いずれも抽象的で、どの行為が差別かの規定がない。部会のメンバーでもある池原毅和弁護士によると、法的な根拠が不明確なため、裁判所に救済を求めるハードルが高いという。
      ◇
 差別禁止法は、何が差別に当たるかの「物差し」だ。その大枠として提言は、差別を合理的配慮の欠如のほか、「障害や障害に関連する事柄を理由に、障害のない人と異なる扱いをする」などと規定する。具体例として、「精神障害者は原則、飛行機に搭乗できない」といった航空会社の規定や、建物入り口の段差にスロープを設けない、車いす利用者というだけで入店を断る-といったケースを挙げている。
 提言によると、就業規則で一律にマイカー通勤を禁止することで、公共交通機関を使った通勤ができない障害者を事実上、排除してしまうのも差別に該当。教育分野では、正当な理由があり、やむを得ない場合を除き、障害を理由に地域の学校への入学を拒否することを差別とした。
 合理的配慮の例として、パニック障害がある従業員に満員電車を避けるため勤務時間を変更する、視覚障害のある従業員が使うパソコンに、音声読み上げソフトを導入する-などを挙げる。選挙、司法手続き、医療など、さまざまな場面で配慮を求めている。
 こうした配慮に必要な経費は、施設や事業主の負担となる。提言では、行き過ぎた負担が生じる場合は「配慮を義務付けないことが適当」とした。負担が行き過ぎかの判断基準として、関係事業者の代表らを交え、政府がガイドラインをつくる。
 池原弁護士は「医療分野では医療機関、労働分野では経済界からの抵抗が予想され、内閣府以外の省庁の抵抗も考えられる。提言がずたずたにされる可能性がある。法案、ガイドラインの作成の段階で、どこまで理念が持ちこたえられるかがポイント」と指摘する。
 提言では、裁判とは別に、調停などで素早く紛争を解決する仕組みを、少なくとも都道府県ごとに整備するべきだと指摘している。
◆権利条約批准目指す
 政府が差別禁止法案を作るのは、二〇〇六年に国連で採択した障害者権利条約の批准を、日本が目指しているためだ。批准は条約への拘束を国家が決める手続き。中国など百以上の国が批准している。
 条約は障害者を権利の主体と捉え、障害者差別の禁止などを締約国に義務付ける。批准には条約に沿った国内法の整備が必要。政府は、昨年八月に障害者基本法を、今年六月には障害者自立支援法を相次いで改正。差別禁止法の制定が残された課題となっている。
 一九九〇年代以降、欧米で障害者差別を禁止する法律の整備が進み、西洋先進国では、こうした法律は当たり前になっている。韓国も二〇〇七年、同様の法律を制定した。

 2ちゃんねるではこの法案を案の定誹謗中傷しているのだろう。
 だが、それは間違いだ。ドイツのルター派牧師であり反ナチス行動で知られるマルティン・ニーメラー(1892-1984)による詩『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』を引用する。このような世界になったら吐き気がする。

 ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。
 ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。
 ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
 ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた

 この言葉はハシゲ率いる日本チキンの会批判にも当てはまるが彼らが誹謗中傷する日本共産党ではこの問題点をさらに厳しく突いている。

2012年9月30日(日) しんぶん赤旗
地域で普通に暮らしたい
「きょうされん」全国大会始まる
障害者の願いを発信
 「たしかな約束~つなげていこっさ みんなのいのち~」をテーマに、全国の小規模作業所などでつくる「きょうされん」(西村直理事長)の第35回全国大会が29日、福井市内で始まりました。障害者が通う全国の作業所で働く人など1800人が参加しました。同大会は30日まで。19の分科会や特別企画が予定されています。
 福井支部利用者部会の人たちでつくった歌の合唱が、オープニングを飾りました。
 「障害者自立支援法は憲法違反だ」として全国の障害者が立ち上がった障害者自立支援法違憲訴訟。国は2010年、原告と、障害を自己責任として福祉施策の利用に自己負担を強いた仕組みは廃止し、新法を制定するとした約束(基本合意)を結びました。
 西村理事長は、今年6月に成立した障害者総合支援法は「訴訟の約束を守ったものとはいいがたい。障害者が障害のない人と同等の権利を守られ、地域で普通に暮らせる社会をめざしてがんばろう」と呼びかけました。
 藤井克徳常任理事は基調報告で、東日本大震災での死亡率では、障害者は障害のない人の2倍だった点や、福祉的就労をしている障害者の99%が年収200万円以下であることを指摘。国連の障害者権利条約が求める「障害のない市民との平等が保障される社会」からはかけ離れていると述べました。
 さらに、権利条約の目指す社会の実現には、▽来年の通常国会に提出される予定の障害者差別禁止法案に政府の障害者政策委員会・差別禁止部会がまとめた提言を反映させること▽3年後に見直すとされている総合支援法に「骨格提言」の内容を反映させること―などを求める運動の必要性を強調しました。
 作曲家の池辺晋一郎さんが講演で知的障害者の詩に出合った経験にふれ、「人間の価値を測る物差しとして、複眼的に見ることが大事だ」と述べました。
 利用者分科会に参加予定の女性(39)=埼玉県川越市=は、「作業所で販売の目標額や旅行先を決めたり、施設長あてに作業所のあり方について要望書を提出するなどの自治会活動を報告し、全国の仲間と交流するのが楽しみです」と語っていました。
(C)日本共産党

 障害者差別禁止に関係する条例一つとっても2ちゃんねるはヘイトスピーチを連発している。
 そんな連中を絶対に許すわけには行かない。障害者利権だのいろいろと屁理屈をつけてごまかすがおのれらが在宅特権を振りかざしてやりたい放題では説得力などない。情けないの一言に尽きる。引きこもりも最近では発達障害と指摘されるようになっているのが現状だ。
 自身が病んでいることすら気がつかないのに人を糾弾する権利はない。まずは己の姿を見れる冷静な第三者に己を見てもらえと言いたいのだ。私はもっとも引きこもりや発達障害者を侮辱するつもりはない。だが、一刻も早く自分の実態を見据えてカウンセリングなどの適切な手を打って欲しいと願っている。
 そのための障害者差別禁止法であると思って欲しい。障害者特権ではないのだ。そのことを強く主張しておきたい。
2012-10-12 12:07

コメント回答「真実は苦い」さんへ
 コメント回答が遅くなり大変恐縮ですが謹んでお答え申し上げます。
 申し訳ありませんがコメントに関しましては一読させていただきました結果、非公開とさせていただくことにしました。私は井上静氏とメールをやりとりしておりますので、あなたのコメントに関して一度保留にして確認をとりましたところ、「過去に発達障害に関して意見を表明した覚えはありません」との回答がありました。その他にも2ちゃんねる発のデマとして最近私や井上氏、村野瀬玲奈女史のブログで暴れまくった某レイシストと井上氏が同一人物だとかいろいろなものがありました。
 それゆえにあまり2ちゃんねるを私は信用しません。井上氏からのメールに関しましては私とのあいだの信義則によって公開はできませんが、この問題は軽率な意見を表明するわけには行かないとのことでした。私や我が盟友など、多くの人たちの意見が発達障がいに関して考える手がかりになってくれればと思います。
 また、2つめ3つめのコメントですが、これに関しては見解の表明はしません。ただ、私は医療過誤で悪質なケースに関しては摘発すべきという考えです。ただ、医療過誤被害者やその遺族は医療従事者に対して不信感を持っていることは確かです。そのことを最初に承知の上で、田中森一(元特権検事・元弁護士でイトマン事件などに関わった)著の『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎)という本をお勧めします。
 弁護士とてもピンからキリまでいます。井上氏が批判している弁護士は井上氏を嘘つき呼ばわりしているようです。このことに関しては第三者ゆえにコメントは出来かねますが医療過誤と同じ構造にあるということなのです。
 井上氏はあくまでも思想の一つの手がかりであり絶対的なものではありません。私の思想を組み立てたのはその他にも佐高信氏でもあり、共産党でもあり、宗田理氏でもあり、そして多くの無名の方々なのです。その点ご理解いただけますようお願いできますか?
 なお、あなたからの苦言感謝します。あなたのような人がいるから、私はこのブログを立ち上げてよかったと思います。今後も建設的なコメントをお待ちしておりますので、遠慮なくネチケットに従うのならどんどんお待ちしております。
2012-10-12 21:34:01

この記事へのコメント
昨日深夜、Eテレ(NHK教育)で、「福祉ネットワーク」という番組の再放送を観ました。“大人の発達障害”をテーマに30分枠を4回シリーズにしたもの。 その中で、大人の発達障害に関しての問題点(社会の理解や取り組み、医療、支援、本人の労働に関わる苦悩など…)が浮き彫りにされました。今まで小野哲さんご自身が体験されたであろう大変な事柄もあるのであろうと想像しながら観ました。驚いたのは、発達障害であると診断されるのにいくつかの医療機関をまわり何年もかかり診断される方々が少なくないということでした。わたしなど素人は、日本は医学が進歩しているからすぐに診断がつくものと思ったのです。なかにはいくつかの医療機関をまわり9年目にようやく発達障害であることがわかった方もみえました。やはりこの辺りのことが、発達障害に対する社会の理解が不十分である原因のひとつなのではとも考えました。そしてなにより、ご本人の苦悩がはかり知れないこと…、仕事や対人関係など深刻な悩みから、引きこもりになったり、自殺を考えた経験のある方が少なくないとのこと…。偏見をなくしまわりの方々や社会の理解と行政や企業、NPOなどのあらゆる面での手厚い支援(サポート)が何より大切であることがあらためてわかりました。 一方明るい面もあります。日本の企業のなかに約280社ではありますが、人材育成を長い目で捉え、障がい者支援を目的に全社あげて、職場教育に取り組むなど障害を理解し、働き易い職場環境造りに努力してみえる企業があるということです。こうした企業が当たり前な社会になるよう、行政の指導やわたしたちひとりひとりの理解が大切であろうと思います。まだまだたくさんの乗り越えなければならないハードルがありますね。今日はこの辺りで…。

Posted by 青い鳥 at 2012年10月13日 10:04

コメント回答「青い鳥」さんへ
 青い鳥さん、コメント感謝すると同時に私たち発達障がい当事者への関心を持って知ろうとされていることに感謝する次第です。
 私は『日々格闘記』で取り上げてきましたが、このままではブログの性質上曖昧になると判断し、発達障がいに関してのみ独立させました。そのことが結果として正解だったと思います。私自身、違和感を感じ様々な生きにくさに遭遇しながらも実際病院に行ったのは昨年2011年4月です(関東にある有名な精神科医が所属する病院で、私は院長が主治医なんです)。仕事に関して言うなら最初の仕事でパワハラ被害に遭い、何もかも失いました。そのフラッシュバック現象は未だにやんだことはないのです。正直に言えば、私の場合は運が良かったんです。一発で分かったのですから。でも、わからない人はあちらこちらをたらい回されています。私の知っている人の場合は薬の副作用で脳幹がおかしくなり生涯介護が必要になってしまったわけです。
 世の中には私以上に苦しい思いをされている発達障がい当事者がたくさんいます。私の場合は幸いにして発達障がいなどの障がい者向けの就業支援サービスに登録しています。それで今日そのセミナーがあり行ってきましたが、世の中の危機感はまだまだ薄いと言わざるを得ません。
 残念ですが精神疾患当事者への日本社会の理解はまだまだ薄く、来年の法改正で精神疾患当事者の雇用義務付けが確定したということはそれだけ、日本の発達障がいへの理解がまだまだ不足している証明だと思います。その一方で2ちゃんねるに代表されるヘイトスピーカーどもの巣窟です。問題はそうした連中の中にひきこもりがいて、その連中にも発達障がい当事者がいるということです。
 被害者が被害者を叩く悪循環を断ち切るには、ハラスメントをやらかす企業に高額の罰金かサービス残業を含めたすべての残業を禁止し、それだけ正規雇用従業員を増やすべきなのです。近々、ユニバーサル就労に関しましてここでも書く事にしました。
 あなたのコメントに感謝します。
2012-10-13 21:47

この記事へのコメント
おはようございます。 わたしは“左利き”で計算機からハサミに至るまで日本では“右利き”用の機器が大半を占めているんですね…。こうゆうところにも日本社会の想像力の無さを感じるのです。作業効率も悪くなることから、わたし自身も若い頃よく無理解な上司から激しい罵倒や叱責を受け、いまだに心の傷として残っています。ことほど左様に、日本社会ではマイノリティに配慮が足りなさ過ぎると思います。 名前は失念しましたが、アメリカのとある大学に発達障がいの学生が在籍していて担当教授がそのひと(女性)の潜在能力を見出だし、今ではその大学の教授に就いているそうです。やはり発達障がいを持つ方々には、優れた才能を持っておられる方々が多いような気がします。 企業での人事でも同じように、障がいを持つ方々を排除するのではなく、個個人の特性を見出だし、適材適所で配置し、その方の能力を企業活動に活かすべきだと思います。 小泉政権からこれまで、労働環境の劣化はすさまじく、目先の利益優先で企業経営陣が人材を長い目で育て上げようとせず、儲けにならない労働者、作業効率の悪い労働者を非正規雇用形態をいいことに、問答無用に機械の部品の如く使い棄てる…、なかんずく障がいを持つ方々にその刄(やいば)が真っ先に向いてしまう野蛮…。 人間の尊厳も何もない現実…。 そんな中、ご自身の辛いご経験をカミングアウトし、社会を変えようと努力なさる小野哲さんの勇気と真摯な姿勢にあらためまして感動させて頂き敬意を持ちます。 尚、小野哲さん…、わたしがコメントするなかで主に障がい者に対する“不適切な表現”等ありました場合は、ご遠慮なくご指摘くださいね…、わたし自身未熟で、わからないことだらけですので…、貴殿を信頼しておりますのでよろしくお願いいたします。
Posted by 青い鳥 at 2012年10月14日 06:24